こちらは73歳にして
市長暗殺という任務を受けたスパイが
潜入した街で次々とおかしな事態に
巻き込まれていく物語よ。
73歳にしてそんな任務を
受けるとは、よほど優秀な
スパイってこと?
いいえ。彼は当局で長年清掃作業員として
働いてきたの。これは彼にとって初の
任務よ。報酬もすばらしいものなの。
え、ちょっと待って。
清掃員だった人間にその歳になって
仕事を依頼する??しかも殺人??
どうみてもおかしいでしょ…(゚o゚;;
『ざんねんなスパイ』 一條次郎 (著) 新潮文庫
あらすじ
長年ニホーン政府当局で清掃作業員をして働いてきたスパイのルーキーは、73歳にして市長を暗殺する任務を受ける。
しかし、この市長と友達になってしまったのだ。
本部から実行の指示が来ないまま、市長との親交を深め、泥棒家業の隣家のマダムと食事をし、うっかり密造酒業を摘発してしまい、森では巨大なリスに遭遇…。
秘密裏に任務を遂行するはずが何故か思わぬ方向に事態は転がり続ける。
目立たず行動するはずが有名人なってしまったスパイ
ニホーン国からの独立を企てる市長、ミッキー・チャン暗殺のために街へとやってきた諜報員のルーキー。
ある日、彼の家にキリストがやってきて「福音を届けにきた」と言うのですが、背中をナイフで刺されて死んでしまいます。
自分が殺したわけではないのですが、スパイとして目立つわけにはいかず、ルーキーはキリストの死体を墓地に埋めます。
隣のマダムに食事に招かれたルーキー。
会話の中で、うっかりとコードネームである「ルーキー」という名前を明らかにし、「市長を暗殺しにきた」と口をすべらせてしまいます。
冗談だと受け流してくれたマダムの仕事はなんと泥棒。
どんなものでも盗めるのだと豪語します。そのつもりはなかったのに密造酒を作る工場を発見し、摘発。
そして「キョリス」と呼ばれる巨大なリスがルーキーに飛びついてきて…。
まとめ
スパイなのに有名人になってしまう、誤解が思わぬ事態につながる、わけがわからないのに整合性がある、ユーモアと不思議がつまったスパイ小説です。
物語の楽しさと言うものを存分に楽しめる、クセになる味わいの一冊です。
<こんな人におすすめ>
ユーモアたっぷりのスパイ小説を読んでみたい
わけがわからないがなんだかおもしろい!と思う物語に出会いたい
一條次郎のファン
ワハハハハ(>▽<*)ww!!
ムチャクチャやがな!!
しかし破綻というのではなくて
しっかりと組み立てられてる感がスゴイ!
ユーモアたっぷりで、
物語の世界の楽しさとういものを
堪能できるお話ね。
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