こちらは『時間』をテーマに
不思議なつながりを描く
5つの短編集よ。
不思議なつながり?
どんなつながりなんだ?
奥さんが亡くなる前の時間に戻ったり
自分が生まれる以前の父親に遭遇したり。
あるアーティストやペンギンのモチーフが
共通のアイテムとして登場するの。
へえ〜。なるほどね。
そのつながりによって
彼らの人生が変わったりするんだろうか?
『ペンギンのバタフライ』
中山 智幸(著)PHP文芸文庫
あらすじ
妻を事故で亡くした佳祐は悲しみの淵に沈んでいた。
佳祐がかつてファンだったミュージシャンが、停車中の妻の車に突っ込んだのだ。
妻との会話で時間を遡れる坂のことを思い出した佳祐は、妻が事故に遭う前の時間に戻そうと坂へやってきた。
この坂を自転車で後ろ向きに下ると時間を遡れると言うのだが(「さかさまさか」)。
台風の夜に妻の出産のため病医院へ駆けつけた拓海。
落ち着かない気持ちでベンチに座っていいると、同じく妻の出産を待つ男性から声をかけられて…(「バオバブの夜」)。
『時間』をテーマに不思議であたたかなつながりを描く五つの短編集。
妻との時間を取り戻すために坂へとやってきたが
妻が生きていた時に時間を戻したい。
その一念で坂を逆走した祐介。
妻の事故が起こる三十分前に戻ることができ、慌てて妻に電話をしますが留守電に。
車を停めて動かないで、とメッセージを入れ、事故現場へと駆けつけます。
二人の車は衝突しませんでしたが、ミュージシャンのヒカリが助かり、やはり妻は亡くなります。
再び時を戻そうと考えていた佳祐の家にトレンチコート姿の女性がやってきて「きみ、過去、変えたよね」と話し…(「さかさまさか」)。
まとめ
時空を超えて人々が出会う物語。
人と人の小さな関わりが誰かの大きな幸せにつながっていく。
その決断が自分や他人の運命を動かす。
そんな素敵なつながりに胸が熱くなる五つの物語です。
<こんな人におすすめ>
時を超えた不思議なつながりを描く物語を読んでみたい
心がじんわりと温かくなっるような話が好き
中山 智幸のファン
ほんの小さな出来事が
それぞれの人生に影響しあって
いるんだなあ。感慨深い。
人と人との繋がりの不思議や
奇跡に胸があたたかくなる
物語ね。
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