こちらは条件付きで格安アパートに
越してきた田中が、相談役として
アパートの住民たちの話を聞き
手助けをするお話よ。
家賃が安いのならすぐに
部屋も埋まりそうだけど。
どんな奴が住んでいるんだ?
このアパートの売り文句は
「言葉の呪い、祓います」というもの。
それに惹かれてやってきた住民たちは
なにかしら悩みを抱えているわけなの。
なるほどねえ。田中は
無事にみんなの悩みを
解決することができるのかな?
『六畳間ミステリーアパート』
河端 ジュン一 (著)新潮文庫nex
あらすじ
フリーランスのライターをしている田中は家賃一万二千円という破格の「ことだま荘」に引っ越してきた。
「言葉の呪い、祓います」という売り文句に惹かれた田中が、アパートの管理人から提示された条件は「新しい人と関わること」「相談役として人々の悩みを聞き、解決の手助けをすること」「住民が入居した理由と関係している各部屋の名前を当てること」。
契約を結び暮らしはじめたことだま荘には、様々な問題や悩みを抱える人間たちがやってきて…。
ワケあり、クセありのアパート住民たち
両親の離婚問題が心にひっかかり、恋人へのプロポーズに踏みきれない田中は、その原因を解決するためこだま荘で暮らすことに。
相談役として、住民たちと関わろうとしますが、中には拒絶するような態度の住民も。
裏アカでの発言が発掘され、炎上中の歌姫、羅夢。
203号室に住む彼女は、恋愛をしたこともないのに『ラブソングの歌姫』とまつり上げられ、そのイメージにそぐわない発言が炎上。
無期限活動自粛中で、このアパートに身を潜めています。
羅夢の本性を知る年上の友人・沙羅が唯一の心の支えでしたが、彼女が日本を離れることを知り…。
まとめ
炎上中の歌姫に殺人鬼、親を亡くした双子、元詐欺師夫婦。
どの部屋の住民もワケありだらけ。
相談役である田中と住民が悩みをわかち合い、新しい価値観を発見したり、具体的に問題解決のために協力し合うことも。
彼らが自分なりの答えを見つけることにあたたかな気持ちになりつつ、部屋名の謎と管理人の正体が読者を最後までひきつけます。
人との関わりは価値観に変化をもたらし、呪いも解く。
そんな風に感じる物語です。
<こんな人におすすめ>
幽霊屋敷と呼ばれるアパートで起こる怪異現象を描いた話に興味がある
数々の恐怖体験を通して過去の問題と向き合う少年を描いたホラーを読んでみたい
小野 不由美のファン
わあ〜 気になる奴らが多すぎる!!
ページをめくる手が止まらないぜ〜
人と関わりあうことで価値観が
変化し、問題解決への道筋が
見えてくるものなのかもしれないわね。
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