こちらはバブル期の嫁と姑、
近未来の配達人と警察
それぞれの逃れられない運命を
描いた物語よ。
逃れられない運命とはまた
ドラマチックだなあ。
それぞれの組み合わせは何やら
対立しそうな雰囲気だけど?
そうなの。嫁と姑、配達人と警察は相手を
目の前にすると対立せずにはいられないの。
これはもう立場などの問題ではなくて
長年続いていることなので
運命と言うしかないわね。
あらまあ。そんな対立し合う者同士で
どんなトラブルが起こるんだろうな。
伊坂作品だけにスピード感と予想外な
展開がありそう!!楽しみだぜ!
『シーソーモンスター』伊坂幸太郎 (著) 中公文庫
あらすじ
昭和後期。
人々がバブルに沸くころ、ごく普通の家庭である北山家では、かつて情報員だった経歴を持つ妻・宮子と姑のセツによる激しい争いが起こっていた(「シーソーモンスター」)。
アナログ回帰の近未来、配達人の水戸は一通の手紙の配達を依頼される。
ところがこの手紙をきっかけに、ある事件に巻き込まれ、因縁の相手である檜山に追われることに(「スピンモンスター」)。
時空を超えてつながる、逃れられない「運命」とは。
ヒートアップする嫁VS姑バトルの行方は
製薬会社に勤めるサラリーマンの北山は、妻・宮子と母・セツの対立に頭を悩ませていました。
二人の間に板挟みで神経をすりへらす日々。
先輩からある病院担当の引き継ぎを受け、院長を接待していた北山は、その羽振りの良さに疑問を持ちます。
一方、情報員時代に鍛えた対人スキルから、義母との同居は問題ない、と考えていた宮子は、義母と顔を合わせるたびに不快になり嫌味を口にしてしまう自分に戸惑うことも。
そんな中、院長による経営上のカラクリに気づいた北上は何者かに拉致されてしまいます。
夫の異変に気付いた宮子は救出に向かいますが、敵からの攻撃を受け足を負傷してしまい…(「シーソーモンスター」)。
郵便配達が信用できない、という客から依頼を受け、配達員として手紙を届ける水戸は、受取人である中尊寺に無事手紙を渡します。
手紙の内容は「暴走する人工知能を止めて」というもの。
そのための方法を探るうちに水戸と中尊寺は歪んだ情報を流され、警察から追われる身に。
追う側には水戸の因縁の相手、檜山の姿もありました(「スピンモンスター」)。
まとめ
何故か知らないが、絶対に受け入れることができず、対立してしまう相手がこの世の中には存在する。
こうしたテーマをバブル期と近未来を舞台に、軽妙なタッチでユーモアを交えながら展開。
華麗なアクションや哀愁漂う心理描写など、最後まで読者を惹きつけて離さない、一気読み必至の物語。
<こんな人におすすめ>
嫁VS姑の戦いを伊坂流にユーモアとアクション溢れるタッチで描いた物語を読んでみたい
会えば対立せずにはいられない運命の相手との衝突を描く物語に興味がある
伊坂幸太郎のファン
嫁姑対決も伊坂先生の手にかかると
とたんにドキドキワクワクの
アクションものに変身しちゃうぜ!!
1話目と2話目のつながりにも
グッとくるな!
対立する相手との間の疑惑や
緊張感、そして予想のつかない
展開にページをめくる手が
止まらなくなる物語ね。
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