こちらは有名な国民的人気歌手を
祖母に持つデザイナーの女性が
自分を見つめ直し成長していく
姿を描いた物語よ。
ほお 祖母が有名人なのか!
それならそのネームバリューを
使って自分がデザインした服を
売り込んだらいいじゃないか。
彼女は華やかな祖母に比べ、地味で
自分に自信がないの。仕事仲間にも
去られてしまい、ブランド存続の
危機に陥ってしまうの。
ええっ そりゃ大変だ。
自信がないとか言ってる場合じゃ
ないだろ!!どうにかしないと!!
『珠玉』彩瀬 まる (著) 双葉文庫
あらすじ
国民的な人気歌手だった真砂リズを祖母に持つ歩。
自身のファッションブランドを持つが、華やかで偉大な祖母に比べ、自分には見た目も才能も秀でたものがない、と感じながら生きてきた。
共に仕事をしていたモデル兼ジュエリーデザイナーにも別れを告げられ落ち込んでいたところ、一人の美しい青年・譲司と出会う。
芸能事務所との契約を切られ職を失いかけている譲司は、歩のブランドの建て直しを手伝おうとするのだが…。
祖母の光に隠れるようにして生きてきた歩
ファッションブランド「no where」を運営する歩の亡くなった祖母は、かつて日本の国民的人気歌手でした。
しかし、自分は祖母のように美しくもなく歌も上手ではないし、祖母のネームバリューを用いて自身のブランドを盛り上げようともしません。
いつも心の中には「こんな私が…」という思いがあります。
とうとう仕事上の相棒にも愛想を尽かされ、一人ぼっちになった歩は、あるパーティーでモデルの譲司と出会います。
モデルとしての職を失いかけていた譲司は、歩が何もせずにブランドが崩れかけているのを眺めていることが信じられない、と言い歩の思いなどおかまいなしにブランドの建て直しをはかっていきます。
祖母の、過去の映像の中のきらびやかな姿に圧倒され、自分自身の価値を見出せずにいた歩でしたが、その華やかな活動の裏で起こっていた出来事、それを面白おかしく書きたてた記事を目にしたことで彼女自身に変化が現れます。
まとめ
身近にいた人の光が強すぎて、自分は影のように感じてしまう歩。
それでも支えてくれる小さな光が自分の周りにあることに気付き、自分自身の姿を見つけることができたのかもしれません。
強い光も小さな光も共に自分の「資産」と認めることで強く成長していく姿を描く物語。
<こんな人におすすめ>
コンプレックスを抱え壁にぶち当たる女性が成長していく物語に興味がある
自分だけの美しさ、その価値を見出すことで強くなっていく姿を描いた話を読んでみたい
彩瀬 まるのファン
七光りも小さな自分の光も
立派な才能だよな。
光り輝けるかどうかはその光を
信じられるかにかかっているのかも。
自分自身の外側に目を向けてこそ
その光に気づけるものなのかも
しれないわね。
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