こちらは旅館をテーマに
様々な人間模様を描く
アンソロジーよ。
旅館かあ。ホテルもいいけど
部屋で食事したり温泉があったり
するところがいいよな。
そうね。ゆったりと過ごす
時間の中では大切なことを
思い出したり、不思議な出来事と
巡り合ったりすることがあるようよ。
へえ。旅館のテイストや
作家ごとの個性も楽しめそう。
さあ旅にでかけよう!!
『短編旅館』
阿部 暁子 (著), 泉 ゆたか (著), 宇山 佳佑 (著), 谷 瑞恵 (著), 羽泉 伊織 (著),集英社文庫編集部 (著) 集英社文庫
あらすじ
一人で、あるいは家族で過ごす旅館でのひとときは、忘れていた大切なことを思い出したり、自分と向き合ったり、新たな発見をしたりと、様々なものに出会う時間でもあります。
ステップファミリーが京都で出会う驚きの旅、亡くなった母への思いを確認するための宝塚遠征、お客様のために奮闘する東北の温泉旅館の女将代理。
日本各地の旅館を舞台に描かれる五つの人間模様が胸を打つ。
旅館を舞台に繰り広げられる人間模様
女将である母が倒れ、その代理を務めるために東京から実家である東北の旅館へ帰ってきたあやめ。
客への対応は素晴らしいがあやめには塩対応のフロント、朔とともにお客様をもてなします。
毎年夫婦で訪れる常連のお客様が一人で訪れ、夫が亡くなったこと、料金は払うので二人分の食事を用意してほしいことをリクエスト。
お客様のために何かできないいかと考え即座に行動するあやめに朔は何かを伝えたい様子ですが…(「花明かりの宿」)。
亡くなった母が行きたがっていた宝塚劇場へ向かう旅に出た詩織。
女手ひとつで育ててくれたことに感謝しつつ、高校教師でいつでも生徒優先だった母に複雑な思いを抱いています。
満たされない心の空白はスマホのゲーム内で知り合った相手とのメッセージのやりとりで埋められていました。
旅館に一泊し、翌日劇場へ着くと、昨夜温泉であれこれと話しかけてきたおばちゃんがそこにいて…(「宝塚の騎士」)。
まとめ
いつもと違う景色、空間、人と出会うことで心の閉ざされた部分も少しずつ開いていくものなのかもしれません。
人との距離が適度に近く、ゆったりとした時間が流れる旅館を舞台にした五つの物語で、感動に出会う旅を味わってみませんか。
<こんな人におすすめ>
旅館をテーマにしたアンソロジーを読んでみたい
旅行好きである
阿部 暁子、泉 ゆたか、宇山 佳佑、谷 瑞恵、羽泉 伊織のファン
なるほどねえ。
いつもと違う環境って人を
素直にさせてくれるものなのかも
しれないな。
訪れた先のほんのひとときで
人生の一部分が見えてくる
素敵なアンソロジーね。
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