こちらは「親王殿下のパティシエール」
シリーズ第七弾よ。マリーに新たな試練と
ともに夢ができるのよ。
試練かあ。確か頼りにしていた
アミヨー神父が亡くなったんだよな。
夢も出てきたなら少しは元気が
出てきたんだろうか。
王族たちに元気付けてもらったり
新たな仕事に取り組んだりして
少しずつ元気を取り戻していったようね。
でも今後の先行きに影響が出そうな
不穏な出来事も…。
何だって!?
大変なことにならないと
いいが…
『親王殿下のパティシエール(7) 糕點師の昇格試験』
篠原 悠希 (著)ハルキ文庫
あらすじ
清の第十七皇子・永璘のもと菓子職人見習いとして働く仏華ハーフのマリー。
いずれ菓子職人として独立したいと考えているが、そうもいかない難題が次から次へとやってくる。
乾隆帝の譲位、故郷フランスで起こった革命の結末、敬愛する主夫妻に降りかかる受難。
度重なる試練に立ち向かい、マリーは新たな夢を追いはじめる。
新たな菓子作りへの挑戦と仏華レシピ本出版の夢
故郷フランスを出て清国へとやってきて四年。
祖父のように慕っていたアミヨー氏が亡くなってから、マリーは悲しみの底から浮き上がることができずにいました。
そんな彼女を和孝公主やニオフル氏がさり気なく力づけてくれました。
また、乾隆帝から大きな龍の工芸菓子を、といいう勅諚が。
頭を悩ませ、どうにか描き上げた龍の図面が何者かに盗まれてしまいます。
永璘が記憶をもとに龍の絵を描いてくれたことで、無事に龍の菓子づくりは完成。
しかし皇帝から呼び出しを受けたマリーは、龍の菓子について何か言われるのかと思いきや、問われたのはマリーの出自についてのことで…。
そんな中、マリーが書きためてきた仏華語のレシピとイラストを本にする話が出ます。
夢のような話だと考えたマリーですが永璘やパンシ神父の協力を得て実現への道を進みはじめます。
一方、避暑山荘で訪れていた邸宅で、夜に急病人が出ます。
誰であったとしても治ってほしい、と必死に祈るマリーですが、その祈りは届かず…。
慶貝勅府に降りかかる受難とは。
まとめ
「故郷」を感じさせてくれる人物を失ったマリーは、自分の心の拠り所や、戻る場所を失ってしまったような喪失感を味わいます。
しかし、新たに想像力をかき立てられるような未知な仕事に取り組んだり、仏華レシピ本を出版するという目的に向かうことで、少しずつ自分の気持ちを立て直していきます。
マリーの出自に関することが今後どのように影響してくるのかが気になるところ。
しかし「お菓子づくり」を自分の軸として歩み続けるマリーの成長を見守っていきたいと感じるシリーズ第七弾です。
<こんな人におすすめ>
異国の地でパティシエール目指して奮闘する女性を描いた物語に興味がある
『親王殿下のパティシエール』シリーズのファン
篠原 悠希のファン
お菓子作りがマリーの
大事な心の支えになって
いるんだなあ。
不安な状況に挫けることなく
夢に向かって歩み続ける
マリーを応援したくなる物語ね。
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