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こちらはある会社の社長が
自分の会社の社員に自分を
殺害させようとする
ミステリーよ。
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自分を殺害させる!?
しかも自分の会社の社員に。
どうしてまた…。
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病気で余命を知った社長は
過去に自分が殺してしまった
社員の息子に、自分を殺害
させようとするわ。でもその
計画を妨害する者が出てくるの。
![ぬこ](http://nukobook.com/wp-content/uploads/2020/09/ぬこ.jpg)
なるほど。過去の罪ほろぼしの
ために息子に復讐させようというのか。
妨害する者はどこまでその状況を
理解していて、最終的に止めることは
できるのかどうか、気になるな。
『君の望む死に方』石持 浅海 (著)祥伝社文庫
あらすじ
株式会社ソル電機の社長、日向貞則は主治医から余命六か月の宣告を受けた。
そこで日向は、殺害される最期を迎えようと思いつく。
彼は創業仲間であった境を殺害した過去を持つ。
ソル電機に入社してきた境の息子・梶間に自分を殺すように仕向けることにしたのだ。
幹部候補の研修という名目で梶間を含む男女四人の社員を会社の研修施設へ招いた日向。
しかしゲストで招いた碓氷優佳の存在が日向の計画を阻む。
日向の計画は成功するのか。
「殺されるための計画」は成功するのか
若手の男女社員4名を呼び出し、二泊三日の研修を行なっているソル電機。
経営側の参加は社長と秘書の小峰のみ。
呼び出されたのは若手社員の中でも有望視されている広報部の野村理紗、営業部で顧客管理をしている堀江比呂美、企画部の園田進也、材料部の梶間晴征の四名。
幹部候補研修とは表向きで、実際は社員同士を引き合わせる「お見合い」が目的でした。
外部ゲストとして参加する日向の甥の安東章吾、その婚約者である国枝真理子、彼らの友人・碓氷優佳らが成立しそうなカップルを盛り立てる、という役割。
この研修中に梶間が自分を殺害できるよう、掛け時計の下に椅子を移動したり、花を活けない花瓶を設置したり、外部からの侵入者があったように見せかけるため、目立たない場所のクレセント錠を開けておいたりといくつも仕掛けをしておいた日向。
しかし気がつけば椅子の位置は移動、花瓶に花が活けられ、クレセント錠は閉まっています。
鋭い洞察力と優れた推理力を持つ優佳が、どうやら日向の目的に気づいたようで…。
そうとは知らずに殺人の機会を伺う梶間、そして日向の計画は達成することができるのか。
まとめ
「扉は閉ざされたまま」に登場し、緊迫する推理合戦を繰り広げた優佳が再び登場します。
そして主人公の目的は自分をある人物に殺害させること。
主人公・日向の思惑を察した優佳がどのような行動を取るのか、また梶間に対してどう接していくのか。
冷静に驚くべき推理を披露する優佳と登場人物たちとの手に汗握るやりとりに目が離せないミステリです。
<こんな人におすすめ>
自分を殺害させるために計画を立てる者とそれを阻む者の攻防を描くミステリーを読んでみたい
前作『扉は閉ざされたまま』を読んだ
石持 浅海のファン
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うわ〜〜〜
優佳って絶対敵にまわしたくない
タイプの人間だなあ。老獪な
社長相手に一歩も引かないし。
そんでもって相変わらず見事な推理!!
![のこ](http://nukobook.com/wp-content/uploads/2020/09/のこ.jpg)
自分を殺害させるという
驚くべき目的の裏には、悲しくも
切ない人間ドラマが潜んで
いるのよね。そんなところも
物語に厚みを持たせているわ。
前作『扉は閉ざされたまま』のイラストブックレビューはこちらからご覧いただけます。
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