こちらは自分を神様だと
名乗る小学生が登場する物語
『神様ゲーム』の続編よ。
街で起こる事件の犯人を
『神様』の小学生、鈴木太郎に
問うミステリーよ。
神様は何でも知ってるって
云うけどその真実は結構
目を背けたくなるものだったり
するんだよなあ。
そうね。主人公の小学五年生、桑町淳は
事件の真相を知りたくて神様に
聴くわけだけど、伝えられたことに
納得がいかずその証拠を集めようと
するのよ。
なるほどね。それで結局は
神様の云うことが正しい、と
なるのか。それとも…?
『さよなら神様』麻耶 雄嵩 (著) 文春文庫
あらすじ
「犯人は上林護だよ」事象『神様』の鈴木太郎は俺・桑町淳にそう告げた。
久遠小探偵団の俺は、過去にクラスで起こったちょっとした謎を解決した『神様』である鈴木に、一週間前に起きた殺人事件の犯人が誰かを尋ねたのだ。
犯人の名前のみを告げ、その動機や犯行内容を語らない神様。
そこで久遠小探偵団のメンバーで再調査し、推理を展開していこうとするのだが…。
神様の告げる『犯人』は本当なのか
ある生徒のリコーダーが紛失した事件で犯人の名前をピタリと当てた転校生の鈴木太郎。
「なぜわかったのか?」という問いかけに「僕は神様だから」と答えます。
他に事故を未然に防いだこともあり、五年生の間では「神様」と呼ばれるように。
半信半疑ながら、彼に何らかの力があるのは間違いない、と考えた淳はある殺人事件の犯人を神様に聞きます。
それは担任の美旗先生がその事件の容疑をかけられているため。
しかし神様が口にしたのは何と同級生の父親の名前。
なぜ、と問う淳に「自分で考えるんだな」と神様はそっけない。
そこで淳は久遠小探偵団のメンバーや幼なじみの小夜子らと現場を訪れたり、同級生から父親の当日の行動を確認し、推理を展開していきます。
被害者との関わりがないという同級生の父親は本当に殺人を犯したのか。
まとめ
「神様」である鈴木太郎が登場する前作『神様ゲーム』に次ぐ第二弾。
犯人を言い当てる神様を次第に信用していった淳は、自分自身が関わった事件の犯人を聞き出します。
仲間たちに神様と関わることを反対されながらもその存在に頼ってしまったのは、淳が抱える苦しみや葛藤のせいなのかもしれません。
中盤で明らかになるもうひとつの真実、そのことで運命の歯車がまた違った方向へと回り始める淳。
神様の語る真実は毒になるのか、はたまた薬になるのか。
何度も騙される快感を味わえるミステリーです。
<こんな人におすすめ>
自分を『神様』だと言う小学生が犯人を名指しするミステリーを読んでみたい
前作『神様ゲーム』を読んだ
麻耶 雄嵩のファン
おわあっ!!途中でびっくり!!
そしてラストでさらにびっくり!!!
これってやっぱり神様の手の中って
こと…?(;°-°;)))
真実を知る事が必ずしも
良い事とは限らない。
そんな真理を教えてくれるような
ミステリーね。
前作『神様ゲーム』のイラストブックレビューはこちらからご覧いただけます。
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