こちらは神保町の古書店を
めぐり人々の思いと美味しい
食べ物が交錯していく物語よ。
神保町と言えばカレーだよな。
どんな人物たちが古書店に
やってくるのかな?
店主が亡くなり、妹の珊瑚が店を
継ぐことになるの。親戚で
国文科の大学院生の美希喜の
手を借りながら経営しているわ。
店主の思い、知人、そして様々な
ものを求めるお客さんがやってくるのよ。
なるほどね。そこに神保町の
美味しいものが絡んでくるって
わけだ。楽しみだな。
『古本食堂 』原田 ひ香 (著)ハルキ文庫
あらすじ
北海道で両親を介護し看取った後、介護職をしながら一人で暮らしていた鷹島珊瑚。
東京の神保町で古書店を営んでいた兄の滋郎が急逝し、その店とビルは珊瑚に遺された。
古書店経営の経験は皆無だが、ひとまず上京してきた珊瑚。
一方珊瑚の親戚で国文科の大学院生である美希喜は、滋郎が生きていた頃、何度か店に通っていたこともあり、珊瑚の様子を見つつ、店の手伝いもすることに。
神保町で愛される美味しい料理や、悩む者にそっと寄り添う人々の優しさ、そして長く読み継がれる本の魅力が詰まった物語。
古書店をめぐる美味しい食と人間ドラマ
独身で、両親の介護をしてきた珊瑚は、兄の滋郎が亡くなり、彼が営んでいた古書店と、店が入ったビルを相続することに。
店を続けていくのか、ビルごと売ってしまうのか判断はつかないものの、ひとまず上京した珊瑚。
隣近所の住人の手を借りながら店を開けてみます。
滋郎の生前、店に何度も立ち寄り、滋郎に進路の相談などもしていた大学院生の美希喜。
大叔母にあたる珊瑚が店をどうするつもりなのかが気になり、笹巻けぬきすし、ボンディのカレー、ピロシキなど、神保町で長く愛される美味しい食べものを手土産に店の様子を伺いつつ、時に店の手伝いをすることも。
そんな中、滋郎が交際していたかもしれない相手の登場、クセの強い作家の卵、国文学の大学院を卒業した後どうするのかなど、古書店をめぐり美味しい食べものと人々の思いが交錯していきます。
まとめ
ひっそりとした古書店に集まる人々は、それぞれが悩みを持っています。
静かで薄暗い空間に並ぶ本、そして神保町の美味しい食べものたちが、彼らの悩みに寄り添い、新しく踏み出す一歩を後押ししてくれるのです。
古くて大切なものが詰まった宝箱のような、心があたたかくなる物語です。
<こんな人におすすめ>
神保町の古書店を舞台にこれからの生き方に思い悩む人々を描く人間ドラマに興味がある
神保町で愛される美味しい食が登場する物語を読んでみたい
原田 ひ香のファン
生き方に悩む人々の心を
古書店の空気がやさしく
包んでいくんだな。
ああ〜 ボンディのカレーが
食べたくなってきた〜〜!!
必要な人の手に渡るまでそっと
待ち続けている古書たちの存在と
長く愛されている美味しい食が
素敵なハーモニーを生み出す物語ね。
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