こちらは『平凡すぎて殺される』の
続編よ。前回平凡な顔のために
命を狙われたポールが、恋人ブリジットと
元警官のバニーとで探偵事務所を開こうと
するのだけど、バニーが行方不明になって
しまうの。
ええ?知識と経験から言って
一番頼りになるはずのバニーが
いなかったら探偵事務所
なんて開けないじゃないか。
おまけにブリジットには
浮気の疑いで三行半を
つきつけられてしまうわ。
そんな中、ある美女が依頼を
持ち込むの。
一番ダメダメなポールに?
大丈夫かなあ。それにバニーが
どうしちゃったのかも気になるぞ。
『有名すぎて尾行ができない』
クイーム・マクドネル (著), 青木 悦子 (翻訳)創元推理文庫
あらすじ
平凡すぎる顔のために命を狙われたことがあるポールは、恋人のブリジットと元警官のバニーとで探偵事務所を開くことに。
そこへブロンドの美女がポールにある人物の浮気調査をしてほしい、と言ってきた。
頭のキレるブリジットとは喧嘩中、実践力はピカ一であろうバニーは失踪中のため、ポールは一人でこの依頼を受けることに。
ところが尾行を続けるうちに殺人事件に巻き込まれる。
尾行するはずが殺人事件に巻き込まれ…
ブリジットの家を追い出されてから新事務所で寝泊りをしているポール。
そしてバニーは探偵免許取得のための面談にも姿を見せず、この三日間連絡が全く取れません。
そんな状況の中、金髪の美女が事務所へやってきて、ある男を尾行してほしい、と言います。
それは現在裁判中の不動産開発詐欺事件の被告三人のうちの一人で、その人物の浮気調査をしてほしいのだとか。
依頼金に目がくらみ引き受けたポールは幼馴染のフィルと、バニーが置いていった犬のマギーとともに調査を開始。
また、断崖のそばでバニーの車が発見されます。
バニーが崖から飛び降りたとは思えないけれど、行方不明のバニーを捜さなくては…。
そう思うポールですが何ひとつ方法が浮かばずブリジットのもとへ。
彼女はポールと行動することを拒否し、一人でバニーを探すと宣言します。
一方のポールは美女の依頼を遂行するため、まずは本屋で尾行について書かれた本を求めます。
ところが被告三人のうちの一人、ポールのターゲットではない人物が死体となって発見されます。
その凄惨な死体の姿に、現場の状況にマスコミも沸き立ちます。
そしてポールが目にしたのはターゲットが捜査を終えた現場に侵入していく姿。
ターゲットは何のために事件現場へ現れたのか。
一方ブリジットはバニーの足取りをたどり彼と関わりのあった人物たちに会い、話を聞くのですが…。
まとめ
恋人もでき、探偵業も始まることとなり順風満帆のように思われたポールの未来。
ところが浮気の疑いをかけられ、事務所は開業できるか否かの危機に。
さらに、怪しげな美女からの依頼調査は殺人事件に巻き込まれる事態となってしまいます。
とにかく口汚い言葉がこれでもかと出てきて、よくこんなにバリエーションを考えつくなあと感心するほど。
ダメダメなポール、意外とできる男・フィル、キレ者で腕っ節も強いブリジット、そしてたった一つの正義のために他の正義を歪める男、バニー。
政治に不満を持つ人々がうごめくうアイルランドを舞台にクセの強い彼らが活躍するノンストップ・ミステリー第二弾です。
<こんな人におすすめ>
慣れない尾行をするうちに事件に巻き込まれてしまう、地味な青年の物語を読んでみたい
前作『平凡すぎて殺される』を読んだ
クイーム・マクドネルのファン
うおおお すんごいな!!
汚い言葉と歪んだ正義が
荒波のように襲ってくるぜ!
でも決して不快じゃない。
ムネが熱くなる〜〜(>_<)
個性の強い彼らがまとまって
いる理由もなんとなく
わかる気がする、ノンストップで
楽しめるミイステリーね。
前作『平凡すぎて殺される』のイラストブックレビューはこちらからご覧いただけます。
本やイラストレビューが気に入っていただけたらポチッとお願いします。