こちらは『店長がバカすぎて』の
続編よ。あの山本店長が
武蔵野書店吉祥寺本店に
戻ってくるの。
へえ また同じ店に戻って
店長やるってこともあるんだな。
本部側には何か目的があるのか?
社長がジュニアへ代替わりを
検討していたり、山本店長も
自分の後継者を育てようと
しているようなの。
え、あの山本店長が?
いやな予感しかしないじゃん。
そして最大の被害者はやっぱり
あの人、ってことになるのかな?
『新! 店長がバカすぎて』早見 和真 (著)ハルキ文庫
あらすじ
武蔵野書店吉祥寺本店に「あの男」が3年ぶりに戻ってきた。
しかし、山本猛店長は相変わらず人の気持ちや空気を読まず人を苛立たせる天才。
契約社員から正社員として採用された谷原京子はバカ店長に振り回されながらも新人作家の才能に震え、新入りアルバイトの対応に苦労しつつ、怒り、泣き、笑いながら書店員の仕事に全力で取り組んでいく。
あの伝説の店長?が帰ってきた!
朝礼は長く、内容は薄く、必要な時には姿が見えなくなる男、山本店長が再び吉祥おじ本店の店長に。
毎日のように山本店長にウザ絡みされる京子はさすがにげんなりし、その理由をたずねたところ「あなたをこの店の店長にするんですよ」と。
そのための教育だという店長に反発する京子。
店長会議にも同席することになった京子は、その場で社長の息子で後継となるジュニアの姿を目にします。
後日、彼は吉祥寺本店にやってきてアルバイトの山本さんに罵声を浴びせます。
接客態度に対して指導中、とのことでしたがその内容を聞いているうちに、京子の胸にムラムラと怒りがこみあげてきて…。
また、同僚や上司の結婚退職、自分が周囲から思われている姿、世間が求めてくる姿にもどうも違和感を覚えたり、イライラしたり。
新人アルバイトの山本さんは店長の隠し子かと思うほど空気読めない感が満載で、ピリつく他スタッフとの橋渡しをするのも一苦労。
ジュニアへと代替わりされ、吉祥寺本店もリニューアルすることになり、京子たちスタッフもアイデアを出し合い準備を進めます。
リニューアルオープン日に開催されるトークショーでは「店長がバカすぎて」の著者が登場。
著者の希望により、当日もう一人の新人作家を登場させる、と聞いていた京子。
しかし会場にはそれらしい人物は見当たらず…。
まとめ
人を苛立たせることにかけては誰も右に出る者はいない山本店長が、次の店長候補として京子をロックオン。
正社員になっても給料も上がらず特に変化のない京子にとっては店長なんて…という状況です。
結婚でもすれば変わるのか、女性店長となれば満足できるのか。
どれもしっくりこない京子ですが、良い本を見つけて人にすすめる時と、同じ本のおもしろさを誰かと語り合う時には幸せを感じる。
それが彼女の中にある「答え」なのかもしれません。
怒りと笑いと涙がほとばしるシリーズ第二弾です。
<こんな人におすすめ>
空気の読めない店長にイラつき自分の未来に悩みながらも書店の仕事に邁進する書店員を描いた話を読んでみたい
前作『店長がバカすぎて』を読んだ
早見 和真のファン
こうなったのか!!
文句を言いつつ、怒りながら
悩みながら書店の仕事に
取り組んでいく京子を応援したい!
店長になった彼女の姿を見たい!
書店員たちの熱い思い、
作家たちの思いがひしひしと
伝わってくる、明るい
エネルギーに満ちた物語ね。
前作『店長がバカすぎて』のイラストブックレビューはこちらからご覧いただけます。
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