『死者のカーテンコール イヴ&ローク57』
J・D ロブ (著), 青木 悦子 (翻訳)ハーパーコリンズ・ジャパン
こちらは華やかな俳優夫婦が
主催するパーティーで夫が
毒入りのシャンパンを飲んで
殺される事件が発生。
ニューヨーク市警のイヴが
事件の真相をたどっていくの。
パーティー会場かあ。
大勢の人が集まっていそうだよな。
捜査も難航するんじゃないの?
招待客や関係者も含め
200人もの人間が会場に
いたそうよ。
ひょえー 200人もの人間を
調べるってわけか!?
そいつは大変だ。まあ案外
犯人は近くにいるのかも
しれないけどな…。
あらすじ
人気俳優イライザ・レーンとその夫ブラント・フィッツヒューが暮らすニューヨークのペントハウス。
ここで開かれたパーティーでブラントが毒物入りのシャンパンを飲み死亡。
200人にもおよぶ招待客がひしめく会場を犯人が殺害現場に選んだ理由は何なのか。
ニューヨーク市警殺人か警部補のイヴは、捜査を進めていく中で、25年前に不審な死を遂げた若き舞台女優との繋がりに気づく。
有名俳優毒殺事件の容疑者は200人!?
結婚して十年になるイライザとブラントは、誰から見ても心の底から互いに愛し合っている夫婦。
イライザが有名になるきっかけとなった舞台で、今度はかつて自分が演じた役の母親役を演じることに。
そしてブラントもまた自身の作品制作を控えたタイミングでイライザ主催のパーティーを開きます。
招待された客は200名ほど。
そこでブラントはイライザのために用意したシャンパンを口にして亡くなります。
イライザが飲むはずだったそのグラスには毒物が混入されていたのでした。
犯人の狙いはイライザだったのか?
パーティー会場でいつ、どのように毒物は混入されたのか。
そして犯人の動機とは。
イヴは定石である妻のイライザにも疑いの目を向けますが、イライザ本人の様子を見ても、周囲から探っていてもブラントと心から愛し合っていたことに間違いはないようです。
しかし、イライザの周囲の人間から話を聞くと、25年前のある女優の不審死が浮かび上がります。
主役の女性がオーバードーズで亡くなり、代役を務めたイライザが成功を収め、彼女は一躍有名になったのでした。
そんな折、イヴは現場から亡くなった女優の母親の痕跡を見つけ…。
まとめ
ニューヨーク市警の有名人、イヴが挑む殺人事件です。
人気俳優同士のカップルの夫が、何者かに毒を盛られ殺されます。
誰からも信頼され、妻からも愛され、金銭面でも問題のない夫、ブラントは何故殺されたのか。
しかも200人が参加する、多くの人の目があるパーティー会場で犯人はいつ、どのようにグラスに毒を入れたのか。
容疑者が多いこと、いくつかの推理も決定的な証拠に結びつかないことなど、タフで鋭利な頭脳を持つイヴにしても捜査は困難を極めます。
しかし、そこから過去に起こった不審死という一本の糸から真実へとたどりつく様子は、エンジンの回転数が上がっていくかのようで圧巻です。
人間の奥底と表面に見える部分のギャップに思わず唸る物語です。
<こんな人におすすめ>
華やかなパーティー会場で起こった毒殺事件を捜査するミステリに興味がある
200人もの容疑者から犯人を探し出す、未来警察小説の話を読んでみたい
J・D ロブのファン
なるほど!こうやって
二つの事件は繋がっていたわけか。
しっかしよくイヴもこの真実に
たどりもんだなあ。さすがだぜ。
その集中力と頭の回転の
早さには舌を巻くわよね。
人間の愛情や思いが悲劇を
呼ぶ物語ね。
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