一線を退いたからこそ見えるもの、できることがある

のこ
のこ

こちらは糸問屋の主人が

隠居生活をはじめたところ

これまでにないいろんな問題が

起こっていく物語よ。

ぬこ
ぬこ

隠居ってばのんびりと暮らしている

イメージだけどな?じいさんが

トラブルに巻き込まれる事態ってある?

のこ
のこ

孫が犬や猫を拾ってきたり

仲間の子供達を連れてきたり。

これまで子供や孫の世話は家族に

まかせっきりだったご隠居は

子供の扱いも慣れなくて大変な思いをするの。

ぬこ
ぬこ

孫に振り回されちゃうじいさんか。

でもこれまでにない出会いや出来事も

起こりそうだな。楽しみだぜ!

『隠居すごろく』西條 奈加 (著)角川文庫

あらすじ

巣鴨町に店を構える糸丼屋の嶋屋。

六代目の主、徳兵衛は還暦を迎え、隠居を決意。

村の外れ、嶋屋からもそう遠くない古びた百姓家に移り住む。

のんびりと優雅な暮らしをするはずが、孫の千代太が遊びにくるようになってからというもの、次から次へとやっかいごとが起こる。

気がつけば徳兵衛の住まいは、千代太の仲間の子供たちのに義嫌かな声で溢れている。

隠居は、すごろくで言えば人生の「あがり」と考えていた徳兵衛。

果たして第二の人生に「あがり」はあるのか。

静かな隠居生活を送るはずが…

仕事一筋三十三年の徳兵衛は隠居を決意。

慌てて引き止める跡取り息子の吉郎兵衛、夫を亡くして家に戻って来たお気楽ものの末娘・お楽、常に冷静で何を考えているかわからない徳兵衛の妻・お登勢らを残し、古参女中ひとりとその息子とともに、村の外れに移り住みます。

のんびりとした日々にすぐ飽きてしまった徳兵衛のもとへやってきたのは八歳の孫・千代太。

そして、ある日千代太は犬を拾ってきます。

その二日後には猫。

かわいそうだからと拾ってきてしまう千代太に「その気持ちは犬猫でなく人のために使ってはどうか」と徳兵衛が話したところ、事態は思わぬ方向に…。

まとめ

家庭のことは妻にまかせきりだった徳兵衛は、千代太のまっすぐな疑問と、素直な行動に振り回されます。

しかし、商売一筋の時には見えなかった、子供ならではの心の動きや、彼らが暮らす環境などが眼に入り、そしてこれまでであれば思いもつかなかった考え方で、改めて「商売」というものを考えはじめます。

人情と、世を生きる人々の誇り、商売のアイデア。

彼らの息づかいを感じ、ともに笑い涙する、心あたたまる時代小説です。

<こんな人におすすめ>

江戸時代の隠居の暮らしぶりに興味がある
仕事一筋の人間が孫との関わりから考え方や価値観が変わっていく物語を読んでみたい
西條 奈加のファン

ぬこ
ぬこ

(^∇^)アハハハハ!

老人と孫のやりとりサイコー!

この感覚のズレ具合がいいよな。

そしてじいさんもやるじゃないか!!

のこ
のこ

仕事一筋から立ち位置が変わったことで

新たに見えてくるものがあるのね。

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