こちらは親戚達が集まった家で
子供達の人数が一人増えたり
大人のお膳に毒が盛られたり
する出来事が起こるの。
子供達がその謎を解こうとするわ。
ひ、一人増えた??それって
座敷わらし的な…?おまけに
毒が盛られるってその座敷わらしのせいか
それとも集まった人間の誰かが
やったのか…。
小学6年生の耕助を中心に
子供達で見張りをしてみたり
推理を重ねていくの。
ほほう。子供達だけで謎の解明が
できるのかどうか。彼らの推理も、
そして座敷わらしの正体も気になるぜ!
『くらのかみ』小野 不由美 (著)講談社文庫
あらすじ
小学六年生の耕助は、二年生のときに亡くなった母の親戚の家へ、父親の想一とともにはじめて訪れた。
この「本家」で後継を決めるために親戚筋が集まるのだと言う。
年の近い子供たちが本家で顔を合わせ広い座敷を探検し、蔵座敷であるゲームを始める。
すると確かに四人で始めたはずなのに気付けば五人になっていた。
さらに後継の資格を持つ大人のお膳に毒が盛られ、夜中に人魂が現れたり、読経の声が聞こえたり。
これは祟りなのか。
そして増えた一名は座敷わらし?子供たちが謎の解明に挑むミステリー。
「5人目」の正体と怪異の謎
父親の想一に連れられて、はじめて母の親戚である「本家」へとやってきた耕助。
この本家の家長が病に伏しているため跡継ぎを決める話し合いが行われるのです。
条件は「子供がいること」。
何故かこの家筋は子供のうちに亡くなることが多いのだとか。
それは行者の祟り、とも言われています。
耕助と同じく親に連れられてやってきた子供たちは、早速広い屋敷の中で遊びはじめます。
窓のない蔵座敷の明かりを消し、部屋の四隅に一人ずつたち、肩を順番に叩く「四人ゲーム」をはじめます。
四人では最後の一人は叩く相手がいないはずなのに、そこには人が…。
明かりを点けてみるとそこには五人の子供がいます。
しかし誰もが、誰が増えたのかがわかりません。これは座敷わらしなのか…?
子供たちが戸惑う中、食事をしていた大人たちに異変が起こります。
大事には至らなかったものの、食事の中には猛毒を持つドクゼリが入っていたのです。
しかも全員が具合が悪くなったわけではなく、跡継ぎ対象となる大人のみが該当の料理を食べたのです。
また夜中に人魂が出たり、読経の声が聞こえると訴える子供も出てきます。
ドクゼリ混入の謎、人魂や読経の怪異、そして座敷わらしの正体とは。
子供たちは自分たちの手で謎を解こうとしますが…。
まとめ
子供たちが活躍する一夏のホラーミステリー。
行動が制限されたりするものの、子供ならではの素直さとちょっぴり大人びている耕助の冷静な推理力で謎に挑みます。
子供の頃に田舎で感じたワクワクや怖いと感じたことが思い出される、どこか懐かしい物語です。
<こんな人におすすめ>
田舎の旧家で一人子供が増える座敷わらしの話に興味がある
親戚が集まる場で次々と起こる怪異の正体を子供たちが探るホラーミステリーを読んでみたい
小野 不由美のファン
こういう古い家で従兄弟達と
遊ぶのってワクワクするよなあ。
そんでもって奥の方の暗い場所は
怖いんだよな。
これまでにない経験をして
ここに来る前よりもぐんと
成長した耕助の姿にも注目の
ホラーミステリーね。
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