こちらはおひとりさま専用カフェ
『喫茶ドードー』にやってくる
客たちの様子を描いたシリーズ
第三弾よ。
おもしろいタイトルの
メニューが客たちの心を
ほぐしたりするんだよな。
そうなの。今回は他人と比べて
落ち込んでしまう女性や
正しさ以外を排除してやってきた
女性たちが悩みを抱えているの。
そういうことはありそうだなあ。
世の中の価値観も結構なスピードで
変化しているから彼女らの悩みも
ちょっと関係してたりするのかな。
『いつだって喫茶ドードーでひとやすみ。』
標野 凪 (著)双葉文庫
あらすじ
日々頑張ってはいるものの、空回りをしたり、どうにも虚しい気持ちになってしまうことがある。
他者と自分を比べて落ち込んでしまうアパレル会社勤務の女性、正しさ以外を排除してきた保険会社勤務の女性。
細い路地の先にあるおひとりさま専用カフェ「喫茶ドードー」はそんな悩みを持つお客たちが答えを見つけるきっかけとなるようなメニューを用意して迎え入れる。
ままならない日々にもやもやを抱える女性たち
オンライン販売を中心としたアパレル企業で働く美玲は、各地のデパートや催事での期間限定ショップの手配全般を担当しています。
その仕事で知り合ったフリーの販売員、咲恵は美玲より年上の四十歳とは思えないほど肌も美しく、身につけているもののセンスも良くて圧倒されてしまいます。
人当たりも良く、彼女のそばでは客が次々と商品を手にしていくのです。
本社の杉本が言った「ここの売り場は安心して任せられるよ」という言葉も咲恵さんがいるからか、と気分が沈みます。
ふと見つけたカフェで夕食を摂ろうと入ったお店は喫茶ドードー。
「霧の中にあるパイ包み焼き」は変わった名前ですが味は美味。
一方、保険会社で働く実那子は25年勤め現在は管理職。
その間、働き方も仕事や人間関係に対する価値観も大きく変わったことを実感する日々。
年に一度開催される、一部の管理職と選ばれた入社5年目までの若者で行われる社内のブレーンストーミングに参加した実那子。
上の世代のアップデートできない価値観と、現実にそぐわない意見がスラスラ出てくる若者の間に挟まれ、頭を切り替えたい、と思った帰り道に喫茶ドードーを思い出し、足を向けます。
看板に書いてあったおすすめメニューは「白黒つけないケークサレ」で…。
まとめ
劣等感を抱いたり嫉妬してしまう、社会や働き方は変化しても結局女性の立場は弱者のままだと感じる。
今の仕事を頑張っているけれども、黒い「もや」のようなものに包まれてしまいどうもスッキリしない女性たち。
そんな彼女たちに疲れをほぐすような、迷いに寄り添い、答えの糸口を見つける助けとなるような美味しいメニューを喫茶ドードーは提供していきます。
そうして救われた人たちは一歩を踏み出していくのです。お腹も心も満たされるシリーズ、第三弾です。
<こんな人におすすめ>
やりきれない思いや悩みを抱える「おひとりさま」が癒され問題解決のヒントを見つけていく話を読んでみたい
『おひとりさま専用カフェ喫茶ドードー』シリーズのファン
標野 凪のファン
『おひとりさま専用カフェ喫茶ドードー』シリーズのイラストブックレビューはこちらからご覧いただけます。
『肩の力を抜きなよ』って
言われているような気が
するなあ。ホッと一息
つける店だよな。
1作目から3作目の間ですら
世の中が変化していく様子が
わかるわよね。そんな状況で
働く彼女たちが羽を休めるための
大切な場所なのよね。
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