こちらはカフェの崩壊事故に
巻き込まれてしまった女性が
一緒にいた男性を助けてもらえず
見捨てた相手を探すお話よ。
現場には医療関係者がいたのか?
なんで助けてくれなかったんだろう。
女性もその理由が知りたかったようよ。
ようやくその医療関係者を見つけたのだけど
彼女の目の前で何者かに殺されてしまうの。
何と!!彼女もやばい状況に
巻き込まれてしまったのか??
どういう展開になっていくのか
気になるぜ。
『復讐の泥沼』くわがきあゆ (著)宝島社文庫
あらすじ
古民家カフェのテーブルで幸せな気分で向かい合っていた日羽光と盛岡颯一。
直後、建物の老朽化による崩壊事故に巻き込まれる。
医者らしき人物の声がけに助けを求めるが、その二人組は颯一を見捨てて立ち去ってしまう。
なぜ彼らは颯一を助けなかったのか。
その答えを聞くために光は二人組を探しはじめる。
しかし、ようやく見つけた一人の男は光の目の前で何者かに銃殺される。
また、もう一人の男・薬師も光の行方を追っていて…。
大切な人を見捨てた人物を探して
カフェの崩壊事故に巻き込まれた光。
倒れている颯一を見つけたものの出血しており、適切な処置が必要でした。
そのとき「私は医師です。助けが必要な人はいませんか」と声がして光は「こっち」と手をあげます。
二人連れの男が光の方を見、颯一の姿も見えたはずですが「だめだ」「あっちだ」ともう一人の男が医師を促し、光たちから去っていったのです。
颯一は亡くなり、光は自分自身も入院し治療を受けながら、何故彼らは颯一を助けてくれなかったのか、と考え続けます。
その理由を何としても聞き出さねば、と退院後に二人のことを調べはじめた光。
病院を突き止め、院内を探し見張りを続け、ようやく帰ろうとする医師を駐車場で発見します。
話しかけようとしたところ、医師は目の前で銃に撃たれ、殺害されます。
事故当時、医師の黒田と一緒にいた薬師は颯一と同じ証券会社に勤めていました。
黒田の通夜に出かけたとき、光の姿を見かけ、事故当時に颯一と一緒にいた女性であることに気づきます。
事故の直前に颯一が薬師と目が合い、にっと笑うのを見たことを思い出した薬師は、彼が自分の意図を見抜いていたのではないかと考えます。
その上で光が同席していたのならば、彼女を探し出さなくてはならない。
一方光は新聞記者の知人を通じて、事故当時に医師と行動を共にしていた男、薬師の情報を得ます。
颯一と同じ会社であったことを知り、二人は何か関係があったのかと思いを巡らす光ですが…。
まとめ
光の視点、薬師の視点から展開していく復讐劇。
テンポよく進むうちにいくつもの違和感のタネが蒔かれていいきます。
視点が変わった世界が明らかになったときの衝撃に体が震えます。
ロックオンされたら逃れられない。
そんな恐怖に絡め取られるサイコサスペンスです。
<こんな人におすすめ>
大切な人を喪った女性が彼を見捨てた人物を探し出す物語に興味がある
人を不幸に陥れる人物たちが交錯していくサイコサスペンスを読みたい
くわがきあゆのファン
ひいいい。本当のやばい奴って!!
こんな奴が近くにいたら
逃げられそうもない〜〜!!
「誰が」「何のために」「どんな行動を」
の表現が練りに練られていて驚きの
結末へと導いていく展開が見事な
ミステリーね。
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