光文社文庫

イラストブックレビュー

ひと目でわかる!イラストブックレビュー 『ちびねこ亭の思い出ごはん からす猫とホットチョコレート』高橋由太 (著)

特異だったピアノが弾けなくなった中学生の一花は春休みに千葉県君津市で一人暮らしをしている祖母の家へ行くことに。玄関の戸を引くと、祖母が廊下に倒れていた。去年のお盆に祖母が話してくれた昔の話を一花は思い出していた(「からす猫とホットチョコレート」)。芸能事務所の会長、出水亨はかつて所属していた俳優・熊谷が立ちあげた劇団のお芝居を見ていた。観劇後、挨拶に来た熊谷へ、芝居のモチーフとなった「ちびねこ亭」と自分の関わりについて語り出す(「黒猫食堂と焼きおにぎり」)。
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ひと目でわかる!イラストブックレビュー
『屑の結晶』まさきとしか (著)

三十三歳の小野宮楠生は二人の女性を殺害した容疑で逮捕された。「誰を殺そうと俺の自由だろ」と供述し、送検時には満面の笑みでピースサインを出す。彼の弁護をすることになった四十九歳の弁護士、宮原貴子は楠生との接見で違和感を覚える。態度や言動に一貫性がなく、つかみどころのない楠生の本心とは何なのか。
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『ちびねこ亭の思い出ごはん たび猫とあの日の唐揚げ』高橋由太 (著)

海沿いの白い貝殻を敷きつめた小道の先にあるちびねこ亭。死者と会うことができるこの店には様々な客がやってくる。恋人を亡くした男性、幼い息子と義母を亡くし、夫までもが危険な状態となってしまった女性。思い出ごはんを目にした彼らは大切な人に何を伝えるのか。
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『独り舞』李 琴峰 (著)

台湾の田舎ではあるがごく普通の家庭で生まれ育った迎梅。小学生の頃、初恋の女の子が亡くなり、死への想いが胸にとりまくようになった迎梅はレズビアンとしての疎外感にも苛まれていた。高校時代の淡い恋や癒えることのない傷。日本へ渡り、名を変え、別人として生きようとする彼女を苦しめ続けるものとは。
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『彼女の家計簿』原田 ひ香 (著)

シングルマザー、里里のもとに一通の封筒が届いた。中には五十鈴加寿という女性が戦前からつけていたという家計簿が数冊入っていた。家計簿から見えてくる加寿の生き様、そして里里や彼女の母親は、そこから何を得ていくのか。
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ひどい奴らが暮らす街で起こる毒気溢れるミステリー

昭和の時代にベッドタウンとして開発され、今では老人ばかりが住む町、辛夷ヶ丘。のどかで事件や事故もめったに起こらないこの町で、放火殺人事件が発生。その後、町一番の名家の当主・箕作ハツエがひったくりに遭う。辛夷ヶ丘警察署生活安全課の砂井三琴は相棒の田中盛とともに捜査に向かう。
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どこか欠けた者たちで築かれた王国の行末は

和久井ベーカリーの二代目である和久井ミモザの父宛に届いた一通の手紙に導かれん大阪の廃墟ビルへやってきたミモザ。そこにいたのは、父よりも少し上の世代と思われる三人の男たち。かつてこのビルに住み、ここを「王国」と呼ぶ男たちはミモザの父と、自分たちの過去を語りはじめる。
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ロマンスの詰まった古書店で巻き起こるコージーミステリー

失業してしまった相澤真琴は、宿泊ホテルで火事に遭い、新興宗教による強引な勧誘から逃げ出し、葉崎市の海岸へとやってくると死体に遭遇。古書店を期間限定で店をまかされることになった真琴。しかし、葉崎市の女帝と恐れられている前田満知子の死体が書店で発見される。
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犯人は住民の中に!?海に臨むヴィラで起こる殺人事件の真相は

神奈川県葉崎市にあるヴィラ・葉崎マグノリアは海に臨む全十棟からなる建売住宅。その空き家となっている一棟で、顔と手をつぶされた死体が発見された。ヴィラの住民たちは皆クセが強く、担当刑事たちは聞き込み捜査にもひと苦労だが…。
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負の連鎖が生み出す 歪んだ痛みと償いの果てに

庭師である祖父とともに暮らし、自身も仕事を手伝う三十二歳の雅雪。ある事情から雅雪は、両親を事故で亡くした少年、遼平の面倒をみ続けている。そんな雅雪が隠してきた過去を知った良平は、雅雪に怒りと憎しみの目を向けるのだが…。