小説・人文

イラストブックレビュー

ひと目でわかる!イラストブックレビュー
『ぎょらん』町田 そのこ (著)

人が死ぬ瞬間強く願ったことが、小さな赤い珠となってこの世に残ると言う。この「ぎょらん」と呼ばれる珠を噛み潰すと死者の願いが蘇り共有できる。葬儀会社に勤める青年・朱鷺はこの都市伝説のような珠について調べ続けていた。死者への後悔を抱えた者たちに、ぎょらんは何を見せ、伝えるのか。喪失と悔恨の日々を送る遺された者たちの再生を描く物語。
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『懲役病棟』垣谷 美雨 (著)

暴走族だった過去を持つ、金髪の女医・太田香織は半年の任期で女子刑務所の勤務医に。後輩から餞別にと渡された聴診器を使うと、何と患者の過去や思いが聞こえてくる。同じく派遣されることになったベテラン看護師・松坂マリ江とともに、受刑者と個人的に接してはならないという禁を破り、彼女たちの進む道を拓いていく。不思議な聴診器が思わぬものを医師に聞かせる「病棟」シリーズ第三弾。
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『月曜日の抹茶カフェ』青山 美智子 (著)

桜並木が途切れたところにぽつんとある、小さな店「マーブル・カフェ」。定休日の月曜日、当日限りの「抹茶カフェ」に。ツイていないと嘆く携帯ショップの店員、照れ屋で女性と話すのが苦手なために、ぶっきらぼうな対応をしてしまう茶問屋の若旦那、何かと口うるさい祖母のことが苦手に感じている紙芝居師、京都老舗和菓子屋の元女将。一杯の抹茶からつながり広がっていく、東京と京都をつなぐあたたかな物語。
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『刺青・秘密』谷崎 潤一郎 (著)

肌に針を刺され痛みにもだえる人間の姿に悦びを感じる刺青師の清吉。彼の願いは、美女の肌へ己の魂を刺り込む事。しかし、彼が望む姿の女性は容易に見つからない。そんな折、清吉のもとへある芸妓の使いであるという娘がやってきた。この娘が探していた女だと気づいた清吉は、彼女をほんとうの美しい女にするために針を刺していった(「刺青」)。
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『金の角持つ子どもたち』藤岡 陽子 (著)

サッカーのクラブチームに所属していた俊介は、「サッカーをやめる。中学受験のために塾へ通いたい」と両親に打ち明ける。俊介が日本最難関と言われる中学を目指すのには理由があった。小学校入学を控えた難聴の妹・美音、今でもギリギリで何とか回っている家計の中、両親は俊介を応援していくことを決意。俊介は塾に通いはじめ、受験勉強に取り組む。
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『逆ソクラテス』伊坂幸太郎 (著)

学力も運動もそこそこの小学生・加賀は、転校生の安斎からある作戦をもちかけられる。作戦の目的は担任の久留米先生の先入観を崩すこと。草壁は久留米先生に、高圧的な態度を取られている。それは先生が、草壁は大した生徒ではないと考えているから。そんな先生の思い込みは間違っているのだということを証明する。草壁と、作戦の意図に賛同した優等生女子、佐久間が加わり、作戦を決行する。
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『ミチルさん、今日も上機嫌』原田 ひ香 (著)

四十五歳のミチルは元夫が残してくれたマンションで独り暮らしをしている。いきあたりばったりに生きてきた部分もあるけれど、これからの人生、将来に不安がないわけじゃない。時代の変化に戸惑うこともある。それでもめげずに前を向いて歩いていく、そんなミチルの物語。
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『樽とタタン』中島 京子 (著)

今から三十年以上前、小学生だったわたしは学校帰りに毎日坂の下の喫茶店に通っていた。店の隅にある赤い樽が気に入っていた私を、常連客の小説家が樽といっしょだから「タタン」と名付けてくれた。店にはこの小説家のほかに歌舞伎役者の卵や謎の生物学者、無口な学生などクセの強い客がやってくる。学校が苦手な少女は、ヘンテコな大人たちの本当や嘘を耳にする。
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『世界でいちばん透きとおった物語』杉井 光 (著)

有名なベストセラー推理作家の宮内彰吾を父に持つ燈真だが父と会ったことは一度もない。校正者だった母と仕事をしていた編集者の霧子さんから、父が亡くなったとの連絡が。その1ヶ月後、宮内の長男・朋晃から、父親が死ぬ間際に執筆していたと思われる小説について何か知らないかとたずねられ、燈真はその原稿を探すことに。果たしてその原稿を見つけ出すことができるのか。
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ひと目でわかる!イラストブックレビュー『みちづれの猫』唯川 恵 (著)

離婚後、抜け殻のようになりゴミ溜めのような部屋で暮らしていた江美。そんな江美の部屋のベランダに茶トラの牡猫がやってきた。茶太郎と名付けた猫との生活で江美は次第に自分の心と身体を取り戻していく。しかし茶太郎はある日家を出ていったきり帰らなくなった(「運河沿いの使わしめ」)。傷ついた時、そこに寄り添ってくれる猫に救われた女性たちの心あたたまる七つの物語。