新潮文庫

イラストブックレビュー

ひと目でわかる!イラストブックレビュー
『雪月花』北村 薫 (著)

本の世界には、実に様々な驚きと発見がある。ホームズの相棒、ワトソンの、知られざるミドルネーム。誰もが知っていた句の本当の作者。出会った人から、はたまた自分の頭の奥に眠っていた記憶から、言葉や文章はつながり、広がりを見せ、やがて目の前に見事な着地を見せたりする。
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『村田エフェンディ滞土録 』梨木 香歩 (著)

十九世紀末の土耳古、スタンブール。この地の歴史文化研究に来た村田は、イギリス人のディクソン夫人の屋敷に下宿していた。トルコで発掘される膨大な量の遺跡、それらに対する学者個人の、そしてそれぞれの国の考え方を下宿人たちと語り合い、新たな発見と驚きを得る日々を過ごす村田。知人から小さなキツネのついた根付を譲り受けたところ、大きなものが走り回っているような音が村田の部屋のから聞こえてきて…。
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『ザ・ロイヤルファミリー』早見 和真 (著)

ビギナーズラックで馬券を当てたことで、人材派遣会社「株式会社ロイヤルヒューマン」の社長・山王耕造に気に入られ、秘書として働くことになった栗須栄治。多くの馬を所有する馬主である山王とともに、セリ市へ出かけ、馬の成長を見守り、レース展開に手に汗握ります。昔の恋人、加奈子の実家の牧場で手に入れた「ロイヤルホープ」が山王やその家族、栄治ら関係者たちの夢を背負い駆け抜ける。
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  『白い夏の墓標』帚木 蓬生 (著) 新潮文庫

パリで開催された肝炎ウィルス国際会議に出席した佐伯は、一人の老人に声をかけられた。アメリカの陸軍微生物研究所のべルナールと名乗るこの老人は、かつて佐伯が机を並べて研究をしていた友人、黒田の上司であり、友人だったのだと言う。そしてアメリカで事故死したと聞いていた黒田は、実はフランスで自殺していたことを佐伯に告げる。二十数年前の黒田とのことを思いながら、佐伯は彼の足取りをたどる。
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『自転しながら公転する』山本文緒 (著)

母が重度の更年期障害となり、父とともに看病にあたるため、茨城の実家へと帰ってきた三十二歳の都。地元のアウトレットモールのアパレルで、契約社員として働きながら同じモールの回転寿司店で寿司を握る三十歳の貫一と付き合いはじめる。。結婚、仕事、両親、そして自分自身。どこも問題だらけで先の見えない不安に焦り、苛立ち、落ち込んだ後に都がたどりついた答えとは。
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ひと目でわかる!イラストブックレビュー『月桃夜』遠田 潤子 (著) 新潮文庫

江戸時代、薩摩の支配下にあった奄美は砂糖を作り納めていた。働き手は奴隷のような身分であるヤンチュ。ヤンチュ同士の間に生まれた子供はヒザと呼ばれ、さらに下層の扱いを受ける。身寄りのないヒザの少年フィエクサは、父を亡くし一人ぼっちになった少女サネンと兄妹の契りを交わす。
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『妻は忘れない』矢樹 純 (著)

私はいずれ、夫に殺されるかもしいれない。義父の葬儀の後、夫は何かと出歩くように。不審に思った私は夫の通勤バッグの中にある物を見つけてしまう(「妻は忘れない」)。私のもとに、ある一本の電話がかかってきた。それは警察からで、大学生の息子・哲生に元交際相手障害事件の参考人として話を聞いているという。(「戻り梅雨」)。人には言えない秘密が平和な日常をおびやかす悲劇を呼ぶ五篇のミステリ。
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『いちねんかん』畠中恵 (著)

江戸の大店、長崎屋の店主とその妻が九州へ湯治にい行くことに。跡取り息子の一太郎は両親が不在の一年間、主として店を預かることになった。ところが、商品をかすめ取ろうとするいかさま師の登場や疫病の流行、大坂の大店からの無理難題など次々と災難がやってくる。妖たちは何とか一太郎を助けようとするが、無事にこの一年間を乗り越えることができるのか。
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『銀花の蔵』遠田 潤子 (著) 新潮文庫

1968年夏。小学四年生の銀花は父の実家である老舗の醤油蔵で暮らすことになった。何とか馴染もうと頑張る銀花だが、母の盗癖や蔵を切り盛りする祖母と父の不仲、そして父の年の離れた妹からぶつけられる言葉に思い悩む。やがて蔵を継ぐことを決意した銀花は祖母が隠してきた一族の過去を知る。
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『カーテンコール! 』加納 朋子 (著)

三月に閉校することが決まっていた萌木女学園では卒業できなかった女学生たちを卒業させるため特別補講を行うことになった。外部との連絡を断ち、寝食を共にする生活の中で互いのコンプレックスや学業を阻むものの正体が明らかになっていく。