新潮文庫

イラストブックレビュー

ひと目でわかる!イラストブックレビュー
『蟻の棲み家』望月諒子 (著)

中野区の路上で若い女性の射殺死体が発見された。四日後、再び中野区のアパートでも若い女性の射殺死体が。フリーの事件記者である木部美智子は、この連続殺人と、かねてから取材していた企業恐喝事件との間にあるつながりを見つける。
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ひと目でわかる!イラストブックレビュー『姫君を喰う話―宇能鴻一郎傑作短編集―』宇能鴻一郎 (著)

煙と客に満ちたモツ焼き屋で隣に座った虚無僧。酔っていた私は彼に、モツ焼き屋で内臓を喰うたびに感じていたことを話したくなった。無僧は「その通りです」と理解を示し、己のことについて話しはじめた(「姫君を喰う話」)。追いつめられた人間と彼らの生きる背景が迫力ある筆致で描かれる全6編。
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ひと目でわかる!イラストブックレビュー
『向日葵の咲かない夏』道尾秀介 (著)

終業式の日。小学四年生のミチオは学校を休んでいるS君の家にプリントと宿題を届けることになった。S君の家でミチオが目にしたのは首を吊って死んでいるS君の姿。慌てて学校に戻り先生に報告したミチオ。しかしS君の死体は消えてしまった。ミチオは三歳の妹、ミカとともに事件の真相を探りはじめる。
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ひと目でわかる!イラストブックレビュー
『思い出トランプ』向田邦子 (著)

明るくて細々しく動くが、かわうそのように残忍な部分を持つ妻(「かわうそ」)。大きな体、細い目の愛人の、垢抜けなく朴訥としたところが気に入っていたのだが(「だらだら坂」)。日々暮らしていく中で、狡さやうしろめたさなどを情緒豊かに描き出す13編。
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ひと目でわかる!イラストブックレビュー
『残穢』小野 不由美 (著)

作家である私のもとに一通の手紙が届いた。その読者はライターであり、住んでいるマンションに何かがいるような気がする、と言う。時おり、ほうきで掃くような、畳の表面をさっと払ったような音。私は聞いた覚えがある話だ、と感じライターと意見交換をしたり建物について調べはじめる。
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ひと目でわかる!イラストブックレビュー
『クジラアタマの王様』伊坂幸太郎 (著)

製菓会社で働く岸は、先輩のピンチヒッターとしてお客様サポートに再び配属。人気商品に画鋲が入っていた、という1本のクレームからはじまり、様々なトラブルに巻き込まれる。多くの避難や強い悪意をぶつけられ疲弊する岸の前に、一人の議員が現れ、自体は変化していく。彼らにはある「繋がり」があった。
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覆われた自我が新たな何者かに変貌を遂げる

頭からすっぽりとダンボールの箱をかぶり、都会の街を彷徨い歩く箱男。箱の中で全てを完結し、自分たらしめるものを放棄する。贋箱男との関係、看護婦への愛など、喜びと苦しみ、美しさと醜悪さを持つ人間たちの姿がいくつも交錯する。
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この世界はいったい何なんだ!?説明に困る面白さ

社長の出張中、猫の世話を頼まれた。体長約10センチ。その名も「テノリネコ」。この小さな可愛らしい動物にはある性質があって…(「テノリネコ」)。ちょっと変わった動物たちが繰り広げるユーモラスで奇妙な7つの物語が世界の裏側へと読者を誘う。
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こんな世界、見たことない!!おかしな国のざんねんなスパイの物語

長年ニホーン政府当局で清掃作業員をして働いてきたスパイのルーキーは、73歳にして市長を暗殺する任務を受ける。しかし、この市長と友達になってしまったのだ。秘密裏に任務を遂行するはずが何故か思わぬ方向に事態は転がり続ける。
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これぞエンターテイメント!興奮が止まらない警察小説

ロンドン警視庁の新人捜査員、ウィリアム・ウォーウィックは大学で学んだ美術誌の知識を武器に、警察が押収した絵画を贋作と見破ったことで、美術骨董捜査班のメンバーに。数多くの名画の窃盗犯、マイルズ・フォークナーを捕らえ名画を取り戻すべく、ウィリラムは仲間たちと捜査に挑む。