桐野 夏生

イラストブックレビュー

女たちが手を携えたとき 反撃の幕が切って落とされる

開業医の川辺は39歳。妻のカオルは公立病院の勤務医をしており、同じ病医院に勤める医師と浮気をしている。川辺は妻や浮気相手に対する嫉妬や劣等感が頂点に達すると、一人暮らしの女性の部屋に侵入。昏睡させ、レイプする行為を繰り返していた。被害者女性たちは二次被害を恐れ、口を閉ざしていたが、ネットを介して偶然つながっていく。
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様々なものに囚われている、それが奴隷なのです

『奴隷小説』桐野 夏生 (著)のイラストブックレビューです。老との結婚を拒んで舌を抜かれた女。武装集団によって拉致された女子高生たち。夢の奴隷となったアイドル志望の少女。人間社会に現出する抑圧と奴隷状態を描く短編集。
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パワフルでしたたかな女たちの逃走劇

『夜また夜の深い夜』桐野 夏生 (著)のイラストブックレビューです。友だちに本当の名前を言っちゃだめ。秘密主義者の母と娘のマイコはアジアやヨーロッパの都市を転々とし、四年前からナポリのスラムに住んでいる。マイコはやがて家を出て、ナポリの街でサバイバルな生活をはじめる。