おちかの新たな運命の輪が回りはじめる

『あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続』  宮部 みゆき (著)  角川文庫

あらすじ

三島屋の黒白の間で、語り捨て聞き捨ての百物語を始めた主人の伊兵衛。

聞き役である姪のおちかは、人々の話を聞くうちに、自分自身の悲しみを乗り越えていく。

新たな語り手、貸本屋の若旦那・勘一の話はおちかの人生を左右する大きな決断へとつながっていく。

三島屋シリーズ第五弾、第一期の完結編。

三島屋の百物語に新しい展開が

三島屋の次男・富次郎も聞き手となり、その話を絵に描いて残す、ということに。

百物語の新しい展開が見えだした頃、馴染みの貸本屋の勘一が語り手として登場します。

それは読む者の寿命を教える不思議な冊子と、それに翻弄された一人の浪人の話でした。

勘一の飄々としたたたずまいは、この話に関係がある。

そう理解したおちかは、ある決断をするのです。

まとめ

富次郎が「描き手」となり、語り手の世界を絵の中に残す。富次郎の素直な心で描く線は禍々しいものを浄化させる何かが含まれているのかもしれません。

そして人生の新しい道へと歩きだしたおちかが、幸せであるようにと願わずにはいられない物語です。

<こんな人におすすめ>

逃れられない宿命を描いた江戸時代の物語に興味がある
三島屋シリーズのファン
宮部 みゆきのファン

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