そこに来るのは死んだ者と死に損なった者

『たそがれの市』   近藤 ようこ (著) KADOKAWA

あらすじ

死ぬと最初にたどり着く、寂しい場所。それが「たそがれの市」。

自分が死んだことを気付かない女や、病で子を置いて先だった母親、身分違いの恋に苦しむ男など、さまざまな事情を抱えたものがやってくる。

少女おきくの役割

少女のおきくは訳も分からずこの市へやってきたものを案内したり、導いたり、友達になったりしています。

しかし、やがて彼らももとの世界に戻ったり、別の死者の世界へ旅立っていきます。

まとめ

死んだことを自覚し、時には他人をさとしながら、おきくは存在しています。

この少女が死んでいることは曲げられない事実であり、それを丸ごと受け入れているのです。

とはいえ悲愴な無常観が強いわけではなく、静かに死を見つめている。そんな印象を受けるコミックです。

<こんな人におすすめ>

死後の物語に興味がある
人間の死との向き合い方を描く話を読みたい
死が絡むせつない話を読みたい

本やイラストレビューが気に入っていただけたらポチッとお願いします。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

にほんブログ村

書評・レビューランキング

コメント