こちらは各省からまわってきた
課題の提言に尽力する男女のお話よ。
各省から…
国家公務員?
そう。総務省総務局、経済インテグレート・サスティナブル・ソリューション室、通称KISS室という室長と部下の2名だけの部署よ。
舌噛みそうな部署名だな。
略した名前もKISS室とは!
いったいどんな仕事ぶりなんだろうな。
『庶務省総務局KISS室 政策白書』 はやせ こう (著) ハヤカワ文庫JA
あらすじ
2020年、世界的に流行し、多くの死者を出したSARSインパクトにより、国際間の移動は制限されるようになった。
総務省総務局、経済インテグレート・サスティナブル・ソリューション室、通称KISS室の島崎室長と部下の中村くんは、各省からたらいまわしにされた課題への提言に尽力し、時に海外の会議へと赴く。
個性的なコンビが打ち出す社会問題の解決策
島崎室長は入省六年目、仕事はしない、ロシア語はできるけど英語は苦手な女性。
一方中村くんは室長と同期ですが、高専出身であり、父親はとてつもない資産家だったりします。
気ままでアホさ加減をチラホラ出す島崎室長と、理路整然と論旨を組み立て、完璧な資料を作り上げる優秀な中村君。
二人は地球温暖化やサービス残業に少子化対策などの問題を軽快なトークで議論し、最終的に全面的に押し付けられた中村君がきっちりと資料にまとめあげていきます。
まとめ
突破口がなさそうに見える数々の社会問題。
どこまでも自己中心的ではあるが、チャーミングな島崎室長と優秀な執事のようなクールな中村君が、予想外の角度から打ち出す提案は、意外な方向で採用されることも。
ユーモアたっぷりの痛快なお仕事小説です。
<こんな人におすすめ>
官僚が何を考えどんな話をしているか興味がある
いい加減だけど採用されたりする政策提言とは何なのかを知りたい
はやせ こうのファン
こ、こんな適当な人が
国の大事な問題に関わっているとは!
…おもしろい!!
ふたりの関係性が変化
していく様子も楽しめる
お仕事小説ね。
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