こちらは人間の心の闇を
描き出す5つの短編集よ。
ほほう。心の闇か。
たとえばどんな?
ある事故を目撃した男性が
自分の仕事のミスの発覚を恐れ
その証言をしないことにするのだけど…。
事故の証言?そりゃしなくちゃ
まずいだろう。それを拒否した
男性はどうなるのかな?
『許されようとは思いません』芦沢央 (著)新潮文庫
あらすじ
入社三年目、常に営業成績最下位だった修哉が大きく成績を伸ばした。
自分でも不思議に思った修哉が受注状況を確認してみると、自分が誤って注文数を多く入力してしまったことがわかった。
ミスを言い出せなくなった修哉の取った行動が思わぬ災難へとつながっていく(「目撃者はいなかった」)。
ほか悪意や嫉妬など人の心の闇を描き出す5編のミステリー。
入力ミスで売り上げ代金が大きくなっていた修哉は、報告するタイミングを逸し、自分でその商品を買い取ることにしました。
運送業者の変装をして、客先で納品を済ませて帰ろうとした時、交通事故を目撃します。
後日ニュースをみると、亡くなった男性の乗っていた車が信号無視をしたとありますが、修哉には生き残った女性の運転する車の方が信号無視をしていたように見えました。
亡くなった男性の妻だという女性から事故状況の証言をしてほしいと頼まれますが、自分がミス発注を隠すための行動が会社にバレてしまうことを恐れた修哉は証言を断ります。
数日後、修哉のドアチャイムが鳴り…。
まとめ
ミス発覚時の焦りや絶望、そしてバレずに配送を済ませねば、という緊張感や追いつめられた修哉の気持ちがひしひしと伝わってきます。
何とかやり遂げた修哉を襲う災難に背筋がゾワリとします。
人の心の闇がくっきりと形を成して読者に迫ってくるミステリー。
<こんな人におすすめ>
様々な形の悪意を描いた物語に興味がある
予想外の結末を描いたミステリーを読みたい
芦沢央のファン
ひええ(゚o゚;;
ミスの隠蔽、そして迫り来る
出来事。手に汗握るな。
人の心に潜む闇がくっきりとした
形を持って現れるような物語ね。
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