こちらは『アリス殺し』『クララ殺し』に次ぐ
ファンタジーの世界で起こるホラーミステリー
シリーズの第三弾よ。
毎回緻密な世界設定と
度肝を抜く結末で楽しませて
くれるよな。
そうなの。今回その舞台となるのは
『オズの魔法使い』の世界。お城で
起こった密室殺人をビルたちが調べるの。
ファンタジーの世界で密室殺人事件!!
いったいどんな手口を使ったんだ?
気になるな。
『ドロシイ殺し』 小林 泰三 (著) 創元推理文庫
あらすじ
大学院生の井森は、ビルという名のトカゲとなって不思議の国で過ごす夢を毎晩のように続けて見ている。
ある晩、砂漠を彷徨う夢を見て、ドロシイという少女に助けてもらう。
そしてエメラルドの宮殿へと連れて行かれたのだが、パーティーが行われるというその日、密室殺人が起こる。
ビルたちは犯人を見つけ出すことができるのか。
オズの世界のルールとここで起こった密室殺人事件
いつもは「不思議の国のアリス」の世界を夢に見ている井森ですが、今回迷い込んだのは「オズの魔法使い」の世界。
砂漠で干からびかけていたところをドロシイの一行に助けてもらいます。
この世界では殺人などはめったに起こらず、盗んだり傷つけてしまった場合は全部食べて証拠を隠滅してしまえば罪に問われないのです。
そして何が罪であるかを最終的に判断するのは善良な独裁者、オズマです。
そのオズマの誕生パーティーで密室殺人が起こり、警備係のジンジャーが、さらに奥の間にはドロシイの死体が…。
人間界でも内容がリンクしたような事件が起こり、ビルは少女ジェリアとともに事件について調べはじめます。
まとめ
狂気を帯びたファンタジーの世界第三弾です。
オズの魔法使いに登場するキャラクターたちも著者の手にかかると、たちまち異様な一面を持つヤバい奴らに。
人間界との比較からつい先入観を持ってしまう心理を巧みに操り、今回も見事な謎解きへと読者を導きます。
ホラーとファンタジーが巧みにマッチしたミステリーです。
<こんな人におすすめ>
オズの国で起こる殺人事件に興味がある
現実世界ともリンクする、不思議の国での密室殺人事件を読んでみたい
小林 泰三のファン
ブリキとかライオンとか
こんなにヤバイ奴らだったの…?
(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
ファンタジーの世界をまた
違った視点で楽しめる
ミステリーね。
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