こちらは少年時代からの因縁の
相手であるサイコパスな人物の
弁護を引き受けることになった
男性のお話よ。
サイコパスな相手ってことは
そいつに相当な苦労をさせられたってこと?
しかもそいつを弁護するの?
かなりひどい目に遭っているわね。
でもはっきりとした証拠はないの。
今回の弁護も断るつもりだったのだけど…
人の心をコントロールするのが
うまいってわけね。
昔どんなことがあったのか、そして
今回の弁護はどうなるんだろう?
『代償』 伊岡 瞬 (著) 角川文庫
あらすじ
小学校六年生の圭輔は、父と母と平凡だが幸せな家庭で育った。
しかし家が火事に遭い、圭輔は助かったが両親は焼死。
遠縁で同学年の達也の家で暮らすことに。
過酷な思春期を送った圭輔は弁護士となるが、強盗殺人の容疑で逮捕された達也から弁護の依頼が来る。
裁判を弄ぶ達也は一体何を企んでいるのか。
異様な家族とともに暮らすことになった圭輔
達也の家で世話になることになった圭輔ですが、両親の遺した金庫の中身は教えてもらえず、食事や衣服も粗末なものをあてがわれます。
達也と母親の道子は、男女の関係になっており、達也は同じ学校の女生徒にも数人で襲いかかるなど、悪行をしているようですが、証拠を残すことはありませんでした。
悪夢のような暮らしから脱することのできた圭輔だが
圭輔は中学でできた友人が弁護士を紹介してくれたことで、なんとか達也の親を自分の後見人から外すことができ、彼らから離れることができました。
やがて弁護士となった圭輔は達也からきた弁護の依頼を最初は断ろうとしたのですが…。
結局引き受けた圭輔ですが、新事実を証言するはずが弁護士資格を失うほどの危機に見舞われます。
まとめ
サイコパスな達也に翻弄される圭輔。
どこまでも腐った母と息子に痛めつけられる姿は、読んでいて苦しくなります。
しかし、ルポライターとなった中学時代からの友人らと、粘り強く真実を探していきます。
圧倒的な悪に対峙する彼らにエールを送りたくなるとともに、衝撃の事実と結末に息を吞み、動悸が止まらなくなるサスペンスミステリーです。
<こんな人におすすめ>
サイコパスの圧倒的な悪人を描いた物語を読んでみたい
強烈な悪に立ち向かう弁護士を描いた話に興味がある
伊岡 瞬のファン
こんな悪い奴ら見たことないな。
もう生きている次元が違う。
自分を苦しめた相手の弁護を
しながらも、真実を見つけ出して
いく圭輔を応援したくなる物語ね。
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