こちらは『カササギ殺人事件』の
下巻よ。一転して作家が遺した
原稿の結末部分を、編集者が
探していくという展開なの。
ラストがないんじゃ気になるよなあ。
なんで最後の部分がないんだろ。
編集者が原稿を探すために
関係者に話を聞いていたところ
どうやら作家の死は自殺では
なかったようなの。
えっ じゃああの遺書は?
それにピュントが見つけた犯人と
作家を殺した犯人が誰なのかも
気になるじゃないか〜〜!!
『カササギ殺人事件 下』
アンソニー・ホロヴィッツ (著), 山田 蘭 (翻訳) 創元推理文庫
あらすじ
名探偵アティカス・ピュントシリーズ最新刊の原稿を読んだ編集者の私は怒りに震えていた。
大事な結末部分が存在しないのだ。
登場人物たちの発言や行動から分析してみたものの、やはり真実にたどりつくことができない。
出版社のCEO、チャールズにも原稿の最終部分を見つけ出すと申し出、自宅で転落死した作家・アランの葬儀に出席。原稿を探すため、周囲の人々に話を聞いていくうちに、作家が遺したミステリーと、現実に酷似した部分があることに気づく。
作家アランの死は事故か殺人か
編集者のスーザンは、作家・アランが最後に書いたミステリーの最後の部分がないことに憤りを感じます。
また、アランは遺書を遺していたこと、病に冒されていたことから自殺したと考えられていますが、原稿たのために彼の周囲を探っていたスーザンは、実はアランは自殺ではなく、誰かに殺されたのではないか、と考えます。
アランの財産を手に入れた彼の恋人、アランの元妻、アランの姉、アランと犬猿の仲であったヘッジ・ファンド・マネージャーに、アランにひどい目に遭わされていた映像プロデューサー。
彼らは何を隠しているのか。
まとめ
上巻のピュントのミステリーとのリンクを示しつつ、作家アランと関係のあった人物たちが事実を明かしたり、また怪しげなそぶりを見せたりします。
繊細で気難しいアランは敵も多く、提示された情報から読者が事件を推理する楽しさも。
物語の外側と内側、ダブルで楽しめる満足度の高い本格ミステリーです。
<こんな人におすすめ>
「これぞミステリ!」というような満足度の高いミステリを読みたい
『カササギ殺人事件 上』を読んだ
アンソニー・ホロヴィッツのファン
おお… そういうことだったのか!
クリスティ作品を思わせる
どっしりとしていて読みがいのある
ミステリーだな!
物語の中に描かれたミステリと
外側に描かれたミステリ。
二つの面から楽しめる物語ね。
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