こちらは双子の男性の誕生日に起こる
ある出来事をベースに描かれた物語よ。
双子の誕生日に起こること?
何だろう?
恵まれた環境に育ったとは言えない二人だけど
彼らなりの幸せをそれぞれに見つけていこうと
するの。
いい話じゃないか。それと誕生日に
起こる出来事にどう関係が
あるんだろう?
『フーガはユーガ 』
伊坂 幸太郎 (著) 実業之日本社文庫
あらすじ
常盤優我は、仙台市内のファミレスでテレビ制作会社のディレクター、高杉に向かって自身の体験を語りだした。
双子の弟、風我のことや、決して幸せではなかった子供時代のこと。
そして彼らの誕生に起こる、不思議な現象について。
風我と優我は、それぞれに大切な人と出会い、自分たちの力で悪に立ち向かっていこうとする。
双子の誕生日に起こる「ある出来事」とは
暴力を振るう父親と、子供に無関心な母親のもとで育った双子の兄弟、風我と優我。
彼らの誕生日の日、互いが入れ替わる、という現象が起こります。
毎年状況を調べ、いろいろと試した結果、入れ替わったとしても互いが困らないようにルールを決めています。
そして、その入れ替わる瞬間の画像を偶然目にしたディレクターの高杉は、これはどういうことなのか、と優我にたずねます。
そして優我は、自分たちが入れ替わる事、そのことを利用して、過去に大切な人を救い出したことなどを高杉に話します。
カメラの前で詳しく話してほしい、と高杉に促され、彼の車に向かう優我ですが…。
まとめ
幸福でも強くもないけれど、弱くもなくて、自分たちの目を持って生きていける。
そんな双子の風我と優我。
彼らが大人になり、大切な人ができますが、たちうちできないような存在が彼らの前に現れます。
しかし彼らはその能力を使い、あきらめることなく、彼らなりのやり方で敵に向かっていくのです。
悲しみと、歯をくいしばるような切なさ、そしてやさしさとあたたかさが漂う物語です。
<こんな人におすすめ>
特殊な能力を持つ双子の話に興味がある
不幸な状況の中でも何とか立ち上がり、戦う姿を描いた話を読んでみたい
伊坂 幸太郎のファン
せ、せつない…(;_;)
双子の絆と、自分の正義を貫く
強さとやさしさに満ちた物語ね。
本やイラストレビューが気に入っていただけたらポチッとお願いします。