正しい愛などというものは存在しない。この世のどこにも。

のこ
のこ

こちらは借金返済のために

詐欺をしていた二人組の男性のお話よ。

一人が母の介護をはじめることで

二人の関係性が変わっていくの。

ぬこ
ぬこ

詐欺?ひどい奴らだなあ。

母親の介護でどうして関係性が

悪くなるんだ?

のこ
のこ

母親の愛を受けられなかったハセと

母親に認めてもらいたかった沖の二人。

沖が母親の介護をはじめたことで

これまでの二人のバランスが崩れるわ。

ぬこ
ぬこ

なるほどねえ。

それでこの二人はどうなっていくんだろう?

詐欺を続けていくのか?やめるのか?

『正しい愛と理想の息子』寺地 はるな (著)光文社文庫

あらすじ

女性を騙し、偽の宝石を売りつけていた長谷眞ことハセと、相棒の沖遼太郎。

二百万円が貯まり、ようやく違法カジノで作った借金を返せる、と思った矢先、その金を奪われてしまう。

借金返済リミット目前、ハセが思いついたのは老人から金を騙し取ることだった。

人を騙して金を取るハセが、次に定めたターゲットとは

違法カジノで働いていたハセと沖。

どんくさい沖は失敗ばかりだが、ハセを慕っていて、ハセもそんな沖の面倒を見ています。

ある時、店で起こったトラブルで二百万円の損失が発生し、二人で一年以内に返済することに。

顔の良い沖が女性を騙し、宝石デザイナー役のハセに紹介してイミテーションの石を売ります。

しかし、騙したはずの女性に金を奪い返され一文無しに。

窮地に追い込まれたハセは、老人をターゲットにすることを思いつきます。

計画を立て、準備をはじめた頃、沖が「ターゲットにしたい老人がいる」と言ってきました。

その人物とは沖の母親だったのです。

まとめ

母から愛された記憶のないハセ、母から認めてもらえなかった沖。

母に復讐しようとした沖ですが、認知症の母を眼の前にしてその決意が揺らぎます。

そんな母への態度を見せる沖のことを理解できないハセは、強い言葉を投げつけてしまうのです。

親子だからといって、正しく愛せるわけではない。

相手を強く想うからこそ間違ってしまうことがある。

痛みを含んだ優しい言葉で綴られる、感動の物語です。

<こんな人におすすめ>

ぬこ
ぬこ

おおお…( TДT)

正しい愛なんて存在しないんだ。

でも、間違っていようとも

確かにそこに愛はある。

のこ
のこ

その愛ゆえに傷つけ、傷つけられる

こともあるのね。痛みを感じながらも

やさしい言葉の数々が、まるで心の

傷口に染み込んでいくようね。

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