こちらは猟奇的な連続殺人事件の犯人を
元刑事と被害者の妹が追っていくお話よ。
猟奇的な殺人事件とは
どのような?
女性を殺害した後、その体の一部を
切り取り、持ち帰るの。物語は犯人目線と
犯人を追う元警部、両方の目線で語られるわ。
犯罪者の目線でも語られるのか!
いったどんな心理でそんな行動に
出るのか。気になるぜ。
『新装版 殺戮にいたる病』我孫子 武丸 (著)講談社文庫
あらすじ
東京の繁華街で次々と起こる猟奇的な殺人事件。
その犯行動機や死体を陵辱する様子を犯人目線で描く。
そして退職した元警部が被害者の妹とタッグを組み、犯人を見つけ出すべく奔走する。
新たな被害者が出る前に、彼らは犯人を捕らえることができるのか。
そして犯人が本当に望んでいたこととは何だったのか。
猟奇的な犯人の行動と心理とは
ごく一般的な家庭の主婦・雅子は、大学生の息子の様子がおかしいと感じていました。
息子の部屋のゴミ箱から「ある物」を発見し、疑惑は確信へと変わっていきます。
稔は大学の食堂で声をかけた女子学生を池袋のラブホテルに誘い、部屋で殺害後、死姦。
これまでにない強烈な快感を味わった彼は、その記憶が薄れてくると次のターゲットを探しに出かけ、今度は「成果物」を持って帰るのです。
妻を亡くした元警部・樋口のもとへ警察がやってきます。
今回の被害者は、樋口を心配して食事を作りに来てくれたりしていた看護師の女性だったのです。
その女性の妹から頼まれ、シリアルキラーを見つけ出そうとした彼らはある作戦を立てるのですが…。
まとめ
犯人、犯人の家族、樋口の視点で物語は展開します。
犯人が犯行を重ねながら、自分の嗜好を分析し、冷静に現場の処理を行う描写はとてつもないおぞましさ。
そこに気を取られていると、ラスト20ページで足許をすくわれますのでご注意を。
類を見ないような犯人の犯行と動機に驚愕し、見事な叙述に思わず唸る、衝撃のサスペンス・ミステリーです。
<こんな人におすすめ>
サイコキラーと元刑事の戦いを描くミステリを読んでみたい
想像を絶するような犯行動機を持つサイコキラーの物語に興味がある
講談社文庫のファン
最後の20ページで
え?ええっ!?ってなる。
見事に騙された!!!
犯罪者の緻密でリアルな心理描写に
おののき、見事な叙述トリックで
衝撃を受けるサスペンスミステリね。
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