こちらは町の小さなお弁当屋さんを
舞台に、日常の中から次へつながる
道を見出していく、奇跡が繋いでいく
物語よ。
ほほう。お弁当屋さんに
訪れることで、何か新しい
発見を得られる、というわけか?
日常に、様々な問題を抱えている
お客さんたちに、女性店員が
ちょっとしたプレゼントをあげるの。
それをきっかけにして、お客さんたちは
忘れていた大切なことに気づくのよ。
なるほどねえ。訪れる客たちが
そのちょっとしたプレゼントで
どう変わっていくのかが気になるな!!
『カスタード』 加藤 元 (著)実業之日本社文庫
あらすじ
坂の下にある、見た目がケーキ屋さんのような、小さなお弁当屋さんには、愛想のない女店員がいる。
お弁当を買いにやってくるのは、心にモヤモヤを抱えたお客たち。
ポイントカードが貯まった彼らは、店員からちょっとしたおまけをもらう。
それは小さな奇跡を呼び、彼らが新しい一歩を踏み出すための力となっていく。
ケーキ屋みたいな弁当屋のちょっとした「おまけ」
黄色いひさしにガラスのケース。
店の外側も内側も、どう見てもケーキ屋のような作りのお弁当屋さん。
以前はちょっとしたギャグをさりげなく口にするおじいさんがやっていたのですが、今は若い女性がカウンターに立っています。
体調を崩したおじいさんのかわりにお弁当を売る彼女は、ポイントカードのポイントがたまると、お客に飲み物1本サービスと、ちょっとしたおまけをプレゼントします。
学生時代、友人にひどいことをしたことがずっと心に残っている女性、母からの愛情をうっとおしいと感じている男性、高校に通っていない女の子。
「おまけ」を手にした彼らに起こる小さな奇跡とは。
まとめ
表面上は問題なく毎日を送っているけれど、ずっと心に引っかかっていることがある。
そんなお客さんたちに手渡される「おまけ」は、心のしこりの正体を明らかにし、素直な気持ちを蘇らせてくれるのです。
お弁当屋さんで働く二人、そしてお店にまつわるエピソードがすべての物語をつなぎます。
思わず笑みがこぼれるような、心がじんわりとあたたかくなる物語です。
<こんな人におすすめ>
お弁当屋を通じてつながる小さな奇跡を描いた話に興味がある
背中をそっと押してくれるような、心が温かくなる話を読みたい
加藤 元のファン
うまくいかない原因て
自分でも見出せないものだよな。
こういう、ちょっとした知り合いという
関係からその原因を気づかせてくれると
素直に受け止められる気がするな。
ゆるやかだけれども
相手を思う部分は深く、それでいて
入り込みすぎない、というやさしさと
思いやりに満ちた、あたたかくて
胸に染み入るような物語ね。
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