断ち切れぬ母娘の鎖が生み出す負の連鎖

のこ
のこ

こちらは発展し続ける街で

昔ながらの花屋を営む女性と

その娘が出演することになった

ミュージカルの関係者が街で

起こった事件に巻き込まれていく物語よ。

ぬこ
ぬこ

ほほう。街ではどんな事件が

起こったんだ?

のこ
のこ

若い女性が殺害され、現場には

花が残されている、という事件が

続けて起こったの。

ぬこ
ぬこ

うーむ。猟奇的殺人?

この地元の花屋の女性とその娘が

どう関わっていくのかも気になるな。

『聖者が街にやってきた』

宇佐美まこと (著) 幻冬舎文庫

あらすじ

タワーマンションが建ち、急速に発展する街・湧新地区。

発達し続ける東口に対し、昔ながらの猥雑な雰囲気を保つ西口で花屋を営む桜子。

高校生の一人娘・菫子は市民の結束を高めるためのミュージカルに参加し、練習に励んでいる。

そんな中、若い女性が殺害される事件が起こる。

さらに菫子が何者かに誘拐され…。

発展し続ける街で起こる連続殺人事件

夫が病気で亡くなってから、夫の遺した花屋を継ぎ、女手ひとつで娘の菫子を育てる桜子は、花屋の仕事に喜びと誇りを持っています。

娘の菫子は市民ニュージカルで大きな役を得て、張り切ったり落ち込んだりと忙しい日々。

そんな菫子に彼氏ができますが、一方的に別れを告げられてしまいます。

やさしくて頭の良い彼は菫子との交際に飽き、新たな刺激を得ようとします。

一方街で起こる若い女性の連続殺人事件。

どの現場にも花が落ちていました。

桜子の同級生であり刑事の純は、母子家庭の桜子たちを気にかけつつ、花について桜子に意見を求めます。

ミュージカルの音楽監督が何者かに襲われ、また菫子も何者かに誘拐されてしまいます。

殺人事件の犯人と動機は何なのか。そして菫子は無事に脱出することができるのか。

まとめ

事件の背景には母を求める子の思いがあります。

求めても返って来ない母の愛をどうしても欲してしまうのです。

ミュージカルの物語と現実がリンクし、複雑な人間ドラマを展開していきます。

サスペンス・ミステリーではありますが、愛を求める者の悲しい叫び声が耳に響いてくるような、切なくて深い余韻が残る物語です。

<こんな人におすすめ>

急速に発達するする街で起こる連続殺人事件を描いたミステリーに興味がある
母と子の切れない鎖が生み出した悲劇を描く物語を読んでみいたい
宇佐美まことのファン

ぬこ
ぬこ

若い女性の殺人事件と

娘の恋愛の展開の同時進行が

めっちゃドキドキするんですけど!!

のこ
のこ

母を思う気持ちが悲しい連鎖を

生み出す、心に痛みと深い

余韻を残す物語ね。

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