こちらは古本屋で働く休学中の
大学生が、女性客の依頼を受けて
ある物語を探し出す、というお話よ。
へえ〜。それはどんな
物語なんだ?
依頼者の亡くなった父親が
生前に書いたという
「結末のない物語」よ。でも
調べるうちにこの父親が
過去に起こった事件の容疑者で
あったことが明らかになるの。
なんと!!描かれた物語の
内容は事件にも関係ある!?
それに「結末のない物語」って
ところも気になるな!
『追想五断章』 米澤穂信 (著) 集英社文庫
あらすじ
父を亡くし、学資が続かなくなった菅生芳光は、大学を休学し、古書店を営む伯父の家で店の手伝いをしながら居候していた。
ある日、一人の女性から死んだ父親が書いた「結末のない物語」を見つけて欲しい、という依頼が。
調査を進めるうちに、著者が二十年以上前に起こった「アントワープの銃声」事件の容疑者であったことが判明する。
未解決のままの事件と結末のない物語に隠された真実とは、いったい何だったのか。
結末のない物語と関わる過去の未解決事件
伯父の家で古書店販売の手伝いをしている芳光は、北里可南子という女性客から叶黒白という筆名の短い小説が掲載された『壺天』という雑誌を探してくれないか、と頼まれます。
松本からこのために東京へやってきた、という可南子に、見つかれば連絡すると答えた芳光。
ほどなく見つけ、彼女の滞在ホテルへ届けると、著者は亡くなった父であること、この作品を含め五篇はあったと考えられること、そして残りを一篇10万円の報酬で探し出してくれないか、と頼まれます。
伯父に内緒で調査をはじめた芳光は、この亡き父親が「アントワープの銃声」と呼ばれる二十年以上前の未解決事件の容疑者であったことを知ります。
まとめ
結末は読者の手に委ねられる結末のない物語。
芳光の調査の進行とともに、ひとつずつ物語も明らかになっていきます。
その物語の中には明らかになることのなかった事件の真実と父親の思いが潜んでいます。
緊迫した空気の中から、人間のドラマがくっきりと浮かびあがるミステリーです。
<こんな人におすすめ>
結末のない小説に隠された真実を探る物語に興味がある
過去の未解決事件をめぐる人間ドラマを描いたミステリーを読んでみたい
米澤穂信のファン
そ、そうだったのか…!!
この真実は胸に突き刺さるぜ(>< )
結末のない物語の中には
深い人間ドラマが隠されて
いたのね。
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