こちらは密室事件が起こると
現れる『密室蒐集家』が事件の
謎を解くミステリーよ。
密室蒐集家?なんだそれ?
探偵ってこと?
その正体は謎に包まれているわ。
昭和の戦前の時代から平成まで
密室事件のトリックを鮮やかに
暴いていくの。
随分長い間活躍しいてるんだな!
時代によって事件やトリックの内容も
違うだろうな。その辺も気になるぞ。
『密室蒐集家』 大山 誠一郎 (著) 文春文庫
あらすじ
鍵がかかった音楽室からこつぜんと姿を消した射殺犯、警察が監視する家で発見された高校生の男女の死体、犯人が警察へ犯行を告げた理由と簡単に見破られるような密室トリックを作り上げた事情。
密室のある事件が起こると、どこからともなく現れる「密室蒐集家」が、鮮やかにその謎を解いていく。
音楽室で起こった密室殺人事件
昭和十二年十月。
高校生の千鶴は学校に忘れ物をしたことに気づき、午後六時五十分に校門を通り抜けます。
音楽室からピアノの音が聞こえたため、教室をのぞいてみると、音楽教師の君塚先生の姿が。
別の扉から誰かがやってきたらしく、立ち上がった彼は銃に撃たれ、倒れます。
犯人の顔は見えませんでしたが、千鶴は慌てて宿直室に向かい、橋爪先生を呼びます。
事情を話し二人で音楽室に行きますが、教室には鍵がかかっていて開きません。
小使いの堂島に鍵を用意してもらい、用心して鍵をあけますが、教室の中は君塚先生の死体があるだけで犯人の姿はありません。
鍵のかかった密室から犯人はどのように逃げたのか。
まとめ
密室殺人事件が起こるとどこからともなく現れる「密室蒐集家」。
昭和十二年から平成十三年まで、それぞれの時代を反映したトリックや警察の捜査方法も興味深いものがあります。
物理的、心理的とそのトリックもバリエーション豊富で緻密に練られており、短編集でありながらミステリファンには満足度の高い内容です。
その存在自体がミステリーでもある「密室蒐集家」の読み応えあるミステリーです。
<こんな人におすすめ>
時代を反映させる密室ミステリーを読んでみたい
思わず唸るような本格的なミステリーを読みたい
大山 誠一郎のファン
どの時代の密室事件も
動機やトリックがしっかっりと
練られていて読み応えのある
ミステリーだな!!
『密室蒐集家』の存在自体が
最大のミステリーでもあるのよね。
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