こちらは著者自身が
セレクトしたという
十二作品をおさめた短編集よ。
出たー!!村田沙耶香さん!!
出産とか生命とか毎回
衝撃的な物語を書く作家さんだよな。
今回もさすがのラインナップよ。
表題作『生命式』では、故人を食べる
新しい葬式を描いているわ。
ひええええ(((( ;゚д゚)))アワワワワ
やばそうな予感をひしひしと
感じるぜ…
『生命式』村田沙耶香 (著) 河出文庫
あらすじ
人口が急激に減少した世界では、人が死ぬと「生命式」というタイプの式がスタンダードになっていた。
「生命式」とは、死んだ人間を食べながら男女が受精相手を探し、どこかで受精を行うもの。
この人間界の変容ぶりに納得がいかない池谷。
しかし、池谷の同僚であり良き理解者であった山本が死に、池谷は山本の生命式の準備を手伝うことに(「生命式」)。
価値観と道徳観が吹き飛ぶ衝撃の短編集。
死んだ体を食べて生につなげる『生命式』
子供の頃、「食べられるもの」しりとりで「人間」と答えた池谷は、他の子に怖がられたり、先生に叱られたりしました。
それなのに、「生命式」で人肉を食べる行為があたりまえになっている、その価値観の変化についていけません。
式には参加するけど人肉食べたくない仲間である同僚の山本と、総務の中尾さんの式へ参加した二人。
中尾さんの妻からは「中尾も食べてもらえると喜ぶと思うんで」と言われるが…。
「楽しめばいいんだよ、この一瞬の嘘の世界をさあ」と語った山本が死に、生命式の準備を手伝うことになった池谷。
彼は自分が死んだら「俺の肉」で作って欲しいレシピをまとめていたのでした。
まとめ
人口の減少により、「いのち」の価値観が大きく変わった世界。
喪った命を体内に取り込み、新しい命へとつないでいく。
理にかなったことではありますが、生殖し「いのち」を作り、生み出す流れは尊くもあり、「個」も消失していくような感覚もあります。
表題作「生命式」ほか、いのち、性行為、快感、個のあり方などの概念がひっくり返される衝撃の短編集です。
<こんな人におすすめ>
「いのち」の概念を覆すような衝撃的な話に興味がある
恐ろしくもありながら目が離せないような物語を読んでみたい
村田沙耶香のファン
人肉の下ごしらえとか
描写がリアルで…(゚ロ゚;ノ)ノ
でも、人類ってなんなんだ?
という命題を与えられているような
気もする。
これまでの命や性に対する
価値観がひっくり返るような
衝撃的な短編集ね。
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