こちらは他人の未来が
見えるという青年と、その青年に
死を予告された女性がその未来を
変えようと奔走するミステリーよ。
人に「死ぬよ」って予告されるの
嫌だわ〜。その彼女はどうやって
死んじゃうんだ?事故?
誰かが彼女にナイフを突き立てて
刺し殺すの。犯人の具体的な顔は
わからないために、二人は心当たりを
探って犯人を見つけようとするの。
しかもタイムリミットが
あるんだろ?うわ〜 彼女の命を
救えるのか!?ドキドキするな。
『6時間後に君は死ぬ 』高野 和明 (著) 講談社文庫
あらすじ
六時間後に二十五歳の誕生日を迎える美緒は、渋谷で若い男から遠慮がちに声をかけられた。
ナンパかと思いきや、青年の口から出た言葉は「六時間後に君は死ぬ」というもの。
他人の未来が見えるという青年・圭史とともに、美緒を殺そうとしている犯人を見つけ出そうとするのだが、時は刻一刻と迫ってくる。
未来が見える男から死の宣告を受ける
「六時間後に君は死ぬ」と言う圭史を宗教か占いの勧誘かと考えた美緒。
しかし、「これから会う予定の友達にドタキャンされる」という言葉のとおりになったため、未来が見えるというのは本当なのかも、と思いはじめます。
圭史の見た断片的な記憶を手がかりに、美緒を殺そうとする犯人を見つけ出そうとします。
美緒のストーカーをしていた男を探したり、知り合いの刑事に相談しますが、決定的な手がかりが得られないまま時間は無情にも過ぎていき、とうとう運命の時刻がやってきます。
まとめ
「未来が見える男」圭史にまつわる六つの物語です。
時空を行き来するファンタジー要素あり、危機迫るサスペンス要素ありで読者をぐいぐいと引きつけます。
根底には「運命」は変えられるのか?というテーマがあります。
変えられないその運命をどう受け入れるのか、また受け入れられない場合はどのように行動を起こすのか。
この作品を読んでいると、自分の運命はすでに決められている未来に向かって選択し続けているのかも、とも思えてきます。
しかし、流されるにまかせるのではなく、自分で強く願い、行動に起こすことで自分の望む未来は手に入れることができる。
そんな風に感じる連作ミステリーです。
<こんな人におすすめ>
未来が見える男が殺人事件を防ごうとするサスペンスミステリーを読んでみたい
時間をテーマにした心温まるファンタジーに興味がある
高野 和明のファン
未来が見えることで苦労したり
絶望感を味わったりと苦労したんだな。
そんな圭史の新しい生き方が広がって
いくような最終話が俺は好きだな。
サスペンスミステリーだけでなく
ファンタジー要素もあり、何よりも
登場人物たちの胸に抱えたものを
丁寧に描き出した連作短編集ね。
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