こちらは副業で女優もしている
刑事が、発見された女装姿の
首吊り死体の捜査からある真実に
辿り着くミステリーよ。
公務員は副業NGじゃないの？
あと首吊り死体って自殺の線が
強そうだけど。
友人らとともに芸術性の高い
作品に出るため利益性はなく
職場には認められているの。そして
死体の方はほんのわずかだけれど
他殺の可能性が。そこでもう一人の刑事と
コンビを組んで関係者への聞き取りを
開始するの。
なるほどね。しかし女優と刑事って
両立できるものなのかね？
それにコンビを組む刑事ってのも
どんなやつなのかが気になるな。
『アクション 捜査一課 刈谷杏奈の事件簿』
榎本憲男 (著) 幻冬舎文庫
あらすじ
秋川渓谷で女装した男性の首吊り死体が発見された。
趣味で映画製作に携わり、女優業もこなす刈谷杏奈はあきる野署の内藤とコンビを組み、アメリカ淵と呼ばれる場所で首を吊って死んでいた北原という男について調べはじめる。
自殺と思われた彼の死体にはほんのわずかに他殺である可能性を示す跡がついていた。
また、不適切な発言をしたとして炎上中の議員とも接触していたことが判明。
果たして北原は自殺か他殺か。
殺されたとしたら一体誰に。
署内でのはみ出しコンビが真実を追う。
女装男性の首吊り死体は自殺か 他殺か
刑事である苅谷は、趣味として映画を作ったり、時には女優として撮られたりもします。
山奥で女装した男の首吊り死体が発見され、他の刑事が不適切発言をした女性議員事務所が襲撃された件に駆り出される中、刈谷だけが首吊り死体処理担当に。
相棒となるあきる野署の内藤も、余計なことはせずにさっさと自殺として片付けようとやる気のない様子。
しかし、亡くなった北原という男とその周辺を調べていくううちに、彼が問題の議員と何度か接触していた事が判明。
内藤も態度を変え、懇意にしている記者に協力してもらい、北原と議員の関係を探ります。
出てきた情報をもとに推理を広げていく刈谷と内藤。
そして二人が辿り着いた真実とは。
まとめ
趣味で映画監督、仕事は刑事である刈谷は、映画の知識をヒントに想像力豊かに推理を展開。
時には真実に近づくために「女優」としてその場にふさわしい役を演じることも。
異なる二つの顔を持つ刈谷もその裏に抱き続ける思いがあるのです。
今後の活躍でその思いは満たされるのかを注目したいミステリーです。
＜こんな人におすすめ＞
女優であり監督でもある刑事が事件に挑むミステリーに興味がある
はみだしものの刑事がコンビを組み事件の真相に迫る物語を読んでみたい
榎本憲男のファン
映画を参考にコンビ刑事同士で推理が
盛り上がるのもおもしろいな。演技力が
捜査に役立つというのもなるほど納得。
それぞれの立場から「人間」に
注目する二人だからこそ真実に
辿り着けるのかもしれないわね。
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