こちらは医院の空室に住まわせて
もらうことになった兄と妹が
ここで起こる連続殺人事件の
謎を解こうとするお話よ。
連続殺人事件とは!!
誰がどんな風に殺されたんだ?
病院の医院長のお母さんが
防空壕で死んでいるのが発見されるの。
また、病院の看護婦の一人が防空壕の
近くで「ネコが」という言葉を残して
絶命するわ。
ネコ?ネコが何をしたって
いうんだ?兄と位妹の素人探偵が
この謎を解くことができるのか。
『猫は知っていた 新装版』仁木 悦子 (著)講談社文庫
あらすじ
仁木雄太郎と悦子の兄妹は、友人の世話で箱崎医院の二階の一部屋を借りることになった。
ところが兄妹は奇妙な連続殺人事件に巻き込まれる。
防空壕に作られた秘密の抜け穴、蛇毒の塗られたナイフ、そして行方不明ののち、殺人現場に現れた猫。
推理小説を好み、想像力豊かな悦子と、状況を冷静に判断し、鋭い推理を見せる雄太郎の素人兄妹探偵が事件の真相に迫る。
殺人事件でネコは何を見ていたのか
飼い猫のチミがいなくなった、と箱崎家の末娘・幸子に泣きつかれ、悦子はいっしょに探すことに。
廊下の板戸の奥から音がしたので開けてみると、そこにいたのは幸子の祖母でした。
探し物をしていたら、閉じ込められてしまった、とのこと。
その後、入院患者の平坂の姿が消え、さらに幸子の祖母も姿が見えなくなります。
箱崎家の家族や看護婦、悦子も協力して探しますが見つかりません。
そこへ平坂から電話が入り、商用で出かけること、三週間で帰ることを伝え、一方的に切られます。
電話を取った悦子は、院長や平坂夫人へ伝え、平坂の件は解決したかのように思えたのですが…。
また、庭を調べていた雄太郎と悦子は庭の防空壕に抜け穴があること、さらに幸子の祖母の死体を発見。
また看護婦の一人が「ネコが」という言葉を残して息絶えます。
まとめ
ネットもスマホもない時代、兄妹はその状況を自分の目に焼きつけ、記憶し、推理分析と豊かな発想で事件の真相へと近づいていきます。
やわらかな文体でありながら各キャラクターの行動や言動に説得力を持つ、奥深い味わいのあるミステリーです。
<こんな人におすすめ>
素人兄妹探偵が活躍するミステリーに興味がある
戦後の医院を舞台に起こる連続殺人事件の謎を推理する小説を読んでみたい
仁木 悦子のファン
なるほど!時代を感じるトリックが
また新鮮だな。でも古臭さや野暮ったさを
感じないのは仁木兄妹をはじめとする
登場人物たちがしっかりいと描かれて
いるからかな。
読みやすい文章だけれど
トリックも動機も十分に練られていて
謎解きもしっかりと楽しめるミステリーね。
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