こちらは生まれた時間で
人生が決まってしまう世界のお話よ。
夜に生まれると太陽の光を浴びることが
難しい体質になるの。彼らは夜に活動し
死獣という化け物を倒すために戦っているわ。
ええ〜!?化け物と戦っているの?
朝とか昼に生まれた人間たちは
どうやって暮らしているわけ?
何かと制限のある夜生まれの人たちと比べて
豊かで自由な生活をしているようね。
夜生まれの主人公・一琉は、昼生まれの少女・
まひると出会い、新たな敵と戦うことになるの。
夜の世界に昼生まれの少女が
紛れ込んできたのか。そりゃあ
なにやら理由がありそうだな。
その少女の正体や、夜生まれの連中が
どうやって戦うのかも気になるな。
『夜勤 ~夜に産まれた者だけが戦う世界~』
友浦 乙歌 (著) 文芸社セレクション
あらすじ
昼生まれか、夜生まれか。
この世界では生まれた時に日の光を浴びたかどうかで人生が決まる。
昼に生まれた人間は太陽の光を浴びても何ら問題はないが、夜に生まれた人間はその光が猛毒となる。
必然的に夜に活動することになる彼らは「夜勤」と呼ばれ、夜になると発生する死獣を倒すために戦っている。
仲間とともに戦う滝本一琉はある日一人の少女と出会う。
昼生まれの少女、野々原まひるの正体が明らかになる時、一琉と仲間たちは新たな敵へと戦いを挑んでいく。
夜の世界に現れた少女、まひるの秘密
夜に生まれた者は親から引き離され、施設で育ちます。
そして成長すると、夜だけに発生する死獣を倒す戦闘員として働く彼らは「夜勤」と呼ばれています。
訓練を積んだ一琉もチームを組んで戦いますが、死獣の数が増え苦戦を強いられることが多くなってきました。
そんな中、一人の少女、まひると出会います。
記憶がないというまひるは、死獣が彼女を襲うことをやめたり、現代技術では不可能とされる銃の修復をしたりと、謎めいた部分も。
そんなまひるが自身の記憶を取り戻したとき、一琉たちは新たな敵を知ることに。
昼の世界をも巻き込んだ彼らの戦いの結末とは。
まとめ
夜に生まれたというだけで、家族と引き離され、いつ命を落とすかわからない戦いにあけくれる日々。
そんな自分の存在とはいったい何なんだと葛藤する一琉を、仲間たちが支えます。
そしてまひるにより明かされる死獣の正体に驚愕。
立ち入ってはならない領域へ侵入したことで人間が受けたしっぺ返しと言えるのかもしれません。
リアルな戦闘シーンも、一瑠をはじめとした人物像がしっかりと描かれることでより迫力のある、そしてどこか悲しみを感じさせる印象深いものとなっています。
生命、バトル、友情が夜の中に鮮やかに浮かび上がる物語。
<こんな人におすすめ>
夜生まれと昼生まれで運命が変わってしまう物語に興味がある
不条理な世界で生きるものたちの葛藤と生き抜く戦いを描いた話を読んでみたい
友浦 乙歌のファン
生まれた時間で格差が生まれる
世界の裏にはこんなカラクリが
潜んでいたとは(;゚Д゚)!!
葛藤や苦しみを抱えながらも
戦い抜く彼らの勇気と情熱に
胸が熱くなる物語ね。
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