こちらは戦死した大伯父の手帳を
手にしてから次々と怪異が起こる
様子を描いたホラー作品よ。
怪異現象か。どんなことが
起こったんだ？
祖父の失踪、取材に来た
新聞記者の病や奇行、そして
主人公が連日悪夢を見るように
なったことなどね。
うわあ〜 どんどん
恐怖が迫ってくるような…
それに手帳にどんなことが
書いてあったのかも気になるところだ。
『火喰鳥を、喰う』原 浩 (著) 角川ホラー文庫
あらすじ
東京での出張を終えた久喜雄司が信州の家に戻ると、奇妙な出来事が起こっていた。
太平洋戦争で戦死した大伯父・貞市の名が墓石から削り取られ、同時期に彼が戦地に残した日記を綴った手帳が送られてきた。
貞市の生への渇望が滲み出るようなその日記を読んでから、祖父の失踪、知人の負傷、連続する悪夢など様々な怪異が起こる。
日記の最後に残された一文、「ヒクイドリヲ クウ ビミナリ」は誰の手によって書かれたものなのか。
死者の日記から始まる様々な怪異
祖父の保、母の伸子、妻の夕里子と信州の家に暮らす雄司。
戦死したという大伯父の名前が墓石から削り取られるという不可解な出来事が発生します。
また、信州タイムスの記者が久喜家にやってきて、記者宛に送られてきたという大伯父が残した手帳を持参し、取材させてほしい、と言います。
密林での逃亡、潜伏の様子が記されたその日記には仲間を失くし、病に倒れ、それでも「生きたい」という強い思いが染み込んでいるかのようでした。
その日記を読んでから雄二はヒクイドリに喰われたり、見知らぬ少女が出てくる怖ろしい夢を見るように。
また、保が失踪し、取材に来た記者の一人が高熱を出します。
次々と起こる怪異に、妻の夕里子はある人物の助けを受けることを提案します。
まとめ
ヒクイドリの存在、手帳が持つ思念の強さ、登場人物が隠していること。
いくつもの謎が迫りくる怪異とともに少しずつ明らかになっていきます。
人の存在をも狂わす強力な「思い」を持つ人間こそが、何よりも怖ろしいものだということを感じさせる、驚愕のホラーミステリーです。
＜こんな人におすすめ＞
戦死した人間の手帳が呼ぶ怪異を描いたホラー小説を読んでみたい
手帳に残された一文が何を意味するのかを探るミステリーに興味がある
自分の存在自体を揺るがすような恐怖を覚える物語を読みたい
うわっ ラストそう来たか…(;°-°;)))
読む者までもがその思念に飲み込まれて
しまいそうな強いエネルギーが漂う
ホラーだな。
人間の「思い」の強さは
世界までも変えてしまうのね。
自分の存在をも揺るがすような
恐怖を覚える物語だわ。
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