こちらは「魔女の家」と呼ばれる
カフェバーに訪れる魔女と、人間の
お客さんたちの様子を描く物語よ。
魔女がいる店!?
オレも行ってみたいなあ。
どこにあるんだ?
人間がその店に行けるのは
偶然のようね。いつでも行ける
場所ではないようだわ。
なるほど。それも特別感があって
ますます行きたくなるな。
魔女たちの暮らしぶりなんかも
気になるぜ。
『魔女たちは眠りを守る』村山 早紀 (著) 角川文庫
あらすじ
桜の花びらが舞い散る春の宵、古い港町に若い魔女の娘がふさふさした毛におおわれた黒猫とともに帰ってきた。
長く赤いくせっ毛の魔女の名は七竈・マリー・七瀬。
旅の途中に寄った、かつて住んだことのある町で「魔女の家」と人の子に呼ばれているカフェバーに滞在しながら、人の子の生き様と死を、時に手助けしながら見守っていく。
人間たちに寄り添い、助け、見守る魔女たち
古い港町、三日月町には「魔女の家」と呼ばれるカフェバーがあります。
人の子は行こうと思っても簡単にたどりつける店ではありません。
この店を経営するのは銀髪の魔女・ニコラ。
迷いこんだ人の子をやさしくもてなし、店の上の階は旅の途中の魔女のための滞在先として提供しています。
成長がゆっくりで何百年も生きる魔女は、多くの死を、そして死んだ後の魂を見てきました。
魔女ニコラの友達、弱い子供だった自分を優しく見守ってくれた祖母、祭りの夜に出会った月の夜の裏側に住む友達、多くの魂が町に帰ってくるお盆の夜、ハロウィンの夜に起こる小さな奇跡。
ニコラや七瀬は人や、人でないものたちと出会い、助け、見守ります。
まとめ
子供の頃、物語を読んでワクワクした気持ちを思い出させてくれるお話です。
子供の頃、あの話のあとはどうなったんだろう?という疑問が大人になって「ああそうだったのか」と実感でき、嬉しさと同時に寂しさも味わえて、でも前向きな気持ちにさせてくれます。
本が好きで、本の世界を愛していれば、いつでもやさしい魔女たちに出会うことができる。
大切なものは自分の近くにいつも存在していて、それを魔女たちが忘れずに覚えていてくれるのだと感じられる、優しさに満ちた感動の物語です。
<こんな人におすすめ>
魔女たちの暮らしぶりや人間との絆を描いた物語に興味がある
人や人ならざるものたちの生と死、そしてその存在を感じる話を読んでみたい
村山 早紀のファン
人は死んでいき忘れられて
いくけれど魔女が覚えていて
寄り添ってくれるんだな…( இωஇ )
そう思うとこの世界も悪くないな。
こんな魔女たちが近くにいて
私たちを見守ってくれているかと
思うと、なんだかあたたかな気持ちに
なるわね。
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