こちらはカルト教団に取り込まれてしまった娘を
取り戻すために、保険営業員の母とマジシャン、
学者たちがタッグを組んで教団に挑む物語よ。
カルト教団かあ。本人が洗脳されたり
しているのであれば結構難しそうだな。
それに教団側のガードも固そう。
そうね。そこでマジシャンや学者たちが
自分たちの特性を活かして、教団の
インチキ行為を暴き、娘を取り戻すための
作戦を立てるの。
おお〜!!どんな展開になるんだろう!?
楽しみだぜ!!
『カルトからの大脱出』鯨 統一郎 (著) 中公文庫
あらすじ
夫を事故で亡くした村野好美は、保険営業員として働きながら、女手ひとつで娘のあすかを育ててきた。
そんなある日、高校三年生のあすかが家を出ていき、カルト教団「新しい神のルール」へと消えた。
娘を救うべく、方々へ助けを求める好美だが、良い返事はもらえない。
憔悴する好美に協力を申し出てくれたのはマジシャンの谺(こだま)。
娘を取り戻すために彼が立てた作戦とは。
マジックの力でカルト教団に挑む、ノンストップミステリー。
カルト教団から娘を救い出す!!
好美が仕事から帰るとあすかの姿がありません。
あすかの友人からカルト教団「新しい神のルール」に入信し、教団本部にいると聞き、現場へ向かった好美。
しかし、親との縁を切ることを教義としているため、娘と会うことはできませんでした。
おまけにあすかは教団内で「聖母」に選ばれたようで、十八歳の誕生日に教団の跡継ぎを産む活動に入ることを耳にします。
警察に相談するも、本人の意志で入信したのであれば何もできないと言われた好美は、保険の顧客関係で心理学者の笹本、物理学者の粟津原、そしてマジシャンの谺らに助けを求めます。
一度は断られた好美。
しかし谺は教団のある人物に見覚えがあると言い、一転して協力を申し出ます。
ただ救出するだけではなく、宗教のインチキを知らしめ信者たちを真に解放するために彼らが立てた作戦とは。
まとめ
宗教もマジックも「不可能を可能にする」部分は共通しています。
「技術」か「奇跡」か異なるのはその呼び方と見せ方、つまり演出の部分なのかもしれません。
大衆心理を操り、私腹を肥やすカルト集団に挑むマジシャンと学者たち、そして保険営業員である母親。
彼らの作戦や演技にハラハラドキドキし、引き込まれます。
宗教より、マジックの力より、何よりも勝るのは母の愛情なのかもしれません。
最後まで息つく間もなく楽しめる、ノンストップエンタメミステリーです。
<こんな人におすすめ>
カルト宗教の実態を描いた物語を読んでみたい
マジックの力でカルト宗教の洗脳を解く話に興味がある
鯨 統一郎 のファン
マジシャンの技術、学者たちの知識も
圧倒されるけど、実は母親が一番
すごいな‧˚₊*̥(∗︎*⁰͈꒨⁰͈)‧˚₊*̥ !!
奇跡という行為は作り出せる
ものなのね。それを科学的に証明しつつ
やりこめていく姿にスカッとする物語ね。
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