こちらは本好きの少女キリコと
朴訥な少年ポテトの中学生コンビが
事件の謎を解くミステリーよ。
中学生コンビか!
どんな謎を解くんだ?
人気の漫画原作者が殺された
事件で少女漫画家二人が
容疑者として浮上。でも二人とも
アリバイがあるの。
おお ガチな殺人事件の
謎を解くのか。果たして
中学生コンビはどんな推理を
披露してくれるんだろう?
『仮題・中学殺人事件【新装版】』
辻 真先 (著)創元推理文庫
あらすじ
人気のマンガ原作者・石黒竜樹が、佐賀市内にあるマンガ家・千晶留美の生家で死体となって発見された。
石黒と昔から組んで作品を発表しているもう一人のマンガ家・山添みはる。
二人のマンガ家に殺害の容疑がかけられたが、どちらにもアリバイがある。
夕刊サンの記者・克郎、妹のキリコ、キリコの友人薩次は彼女たちをたずね、事件の真相に迫る。
中学生コンビがマンガ原作者殺人事件の謎に挑む
本の虫であるキリコはマンガから実用書まで様々な本を読み、その内容を自分の身につけています。
キリコの兄・克郎がマンガ家の山添みはるにインタビューすることになり、キリコと薩次もついていきます。
しかしみはるは刑事たちに挟まれて…。
心臓をナイフで刺され、死亡したマンガ原作者の石黒竜樹は柔道三段の猛者。
その強者を殺害した容疑をかけられているマンガ家・山添みはるは自分専属のストーリーライターになってほしいと頼んだが、石黒に断られたことが動機とされています。
しかし、事件が起こった頃、みはるは特急『かもめ』に乗っていたと主張し、目撃者も現れます。
一方、もうひとりのマンガ家・千晶留美はホテルで執筆中だったと証言していましたが、それは別の人間を代理で立てていたことが明らかに。
「殺していない」と主張する二人のマンガ家のうち、嘘をついているのはどちらなのか。
そしてそのアリバイを崩すことができるのか。
まとめ
昭和の空気感がたっぷりの、素人中学生探偵が殺人事件の謎を解くミステリーです。
あらゆる本を読みふけるキリコは、その知識を使って時に死亡推定時刻を算出してみたり、開かない扉を空手の飛び蹴りでぶち破ってみたりと、なかなかの活躍ぶり。
見た目は冴えないけれど冷静に状況を判断するボーイフレンド薩次とのかけ合いも軽妙でテンポ良く読ませます。
また、入れ子方式の構成を取っており、「どちらが創造の物語なのか」と考えながら読み進める楽しさも。
時代背景、キャラ設定、トリックなど、どの視点からみてもおもしろくてどこか懐かしいミステリーです。
<こんな人におすすめ>
昭和の中学生コンビが活躍するミステリーを読んでみたい
『犯人は読者であるあなただ』という設定の物語に興味がある
辻 真先のファン
わあ!!JRの時刻表が出てきた!
兄の仕事場についていっちゃうとか
なんか懐かしい… と昭和生まれの
飼い主が嬉しそうにしてる。
キャラクターの個性、緻密な
トリックはもちろん、物語全体の
構成が凝りに凝っているところが
読者をさらにひきつけるわ。
さすがミステリ界のレジェンド作品ね。
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