こちらは刑務所で起こる謎を
刑務官が解いていくミステリ
第二弾よ。
第一弾では最後に大きな
仕掛けがあったよな。
今回は第一弾と関係があるのか?
読んでみればわかるわ。
舞台は加賀刑務所。模範囚の失踪、
集団食中毒、火のない場所での火災など
様々な謎を物腰柔らかなキャリア刑務官、
火石が解決していくの。
うわあ どの謎も気になるな〜
でも何よりも謎なのは
キャリア刑務官 火石の正体かも…?
『看守の信念』城山真一 (著) 宝島社文庫
あらすじ
金沢市の南東にある加賀刑務所。
この地方刑務所で初めて実施された釈放前の更生プログラムに参加した受刑者が姿を消した。
発見されるまでの30分の間、何が起こったのか(「しゃくぜん」)。
刑務所内で起こる事件を優れた洞察力と推理で真相へと導くキャリア刑務官の火石。
そしてその足を引っ張ろうとする上司から火石の尾行を命じられた総務課長の芦立。
火石が抱える事情とは。
模範囚が消えた30分の謎
模範囚を選定し、釈放前に世間の空気に慣れさせること。
法務省矯正局の担当者から提案され、刑務官たちは反対で一致したものの、刑務所長の「やれ」の一言で実行することに。
選ばれた模範囚、坂本を連れて看守部長の亀尾、刑務官の武吉と諸田で、プログラムである海岸清掃ボランティアへ参加。
若者から絡まれてもこらえてかわす坂本の様子に安堵する刑務官たち。
しかし不審な木造船に気を取られている間に坂本の姿を見失ってしまいます。
必死に捜索するも見当たらず110番通報するべきか、と亀尾が考えた時、岩影から坂本が。
木造船に乗っていた人物が海に落ちたのを見て、救出していたのでした。
自分の不備であることからこの出来事を上司に伝えるか悩んだ亀尾ですが、意を決して報告します。
しかし上はスルー。
その謎は坂本、そして火石を見たことである一つの答えにたどりつき…。
総務課長の芦立には引きこもりの息子がいます。
人事異動の希望を通すことと引き換えに、上司から火石の監視を命じられます。
火石を尾けていた芦立は目の前の状況に驚き、思わず火石に話しかけます。
火石が説明した事情とは。
まとめ
物腰の柔らかいキャリア刑務官。
何故か小さな地方刑務所に長くいることも含め、プライベートなど謎の多い人物です。
しかし、刑務所内で起こる受刑者が起こす事件や刑務官の葛藤に寄り添い、事件の真相へと導きます。
各章ごとに犯罪用語のタイトルがつき、その言葉にちなんだ謎が登場。
加えて火石自身の状況も少しずつ明らかになっていき、息が止まるような苦しみを感じる場面も。
ラストシーンは納得の大感動で涙が止まりません。
この物語に出会えてよかった。
そう感じさせてくれるミステリーです。
<こんな人におすすめ>
刑務所の中で起こる事件を解決する看守を描いた物語に興味がある
前作『看守の流儀』を読んだ
城山真一のファン
そうだったのか!!
そうつながっていくのか!!
悲しく、そして感動の涙が
止まらない〜。・゚・(ノД`)・゚・。
看守としてのあり方、そして
その生き方に衝撃と感動を
覚える物語ね。
前作『看守の流儀』のイラストブックレビューはこちらからご覧いただけます。
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