こちらはホーソーン&ホロヴィッツの
シリーズ第四弾よ。自分が脚本を手がけた
芝居を酷評した劇評家が殺害され
何とホロヴィッツが容疑者として逮捕
されてしまうの。
ええ〜!?マジかよ。
ホロヴィッツのことだ、自分に不利な
状況になるとか考えもせずあれこれと
ペラペラ喋っちゃいそうだな。
そうね。ホーソーンに助けを求め
何とか拘置所から出られたものの
限られた時間内に犯人を探し出さなければ
ならない状況になってしまったのよ。
時間制限ありなのか…。
ホーソーンといえども重要な
情報を仕入れて犯人を探し出す
ことができるんだろうか?
『ナイフをひねれば』
アンソニー・ホロヴィッツ (著), 山田 蘭 (翻訳)創元推理文庫
あらすじ
そのプライベートは謎だらけ、相棒である自分にも詳しいことを話そうとしない。
そんなホーソーンとのコンビで小説をこれ以上書くことが嫌になり「われわれの契約はこれで終わりだ」と彼に告げたホロヴィッツ。
翌週、ホロヴィッツの戯曲を酷評した劇評家の死体が発見される。
凶器はホロヴィッツの短剣だった。
逮捕されてしまったホロヴィッツはホーソーンに助けを求めるが…。
ホロヴィッツが劇評家殺害の容疑で逮捕
ホロヴィッツが手がけた戯曲『マインドゲーム』がロンドンで上演されることに。
公演初日には出演俳優の仲間や劇評家たちもやってきました。
終演後、部隊関係者が集まりパーティーが開かれますが、その場に辛口の舞台批評家・ハリエットが現れます。
悪意をむき出しにしたかのようなハリエットとのやりとりに気分を害した彼らは店から劇場に戻って飲み直すことに。
零時になった瞬間、辛口すぎるハリエットの劇評がネットにあがります。
気分が沈んだ彼らはほどなく解散し、ホロヴィッツも帰宅。
翌日ホロヴィッツ宅へとやってきたのはグランショー警部。
ホロヴィッツが昨夜どこにいたのかを知りたいとのこと。
ハリエットは自宅で刺殺されたこと、凶器は昨日演劇プロデューサー俳優たちやホロヴィッツに配られた小道具の短剣で、しかもホロヴィッツに送られたものであることを告げたグランショー警部はホロヴィッツを逮捕。
アリバイは証明できず、自分の書いた舞台を酷評されたという、動機面でも納得できる理由がある。
追い詰められて手も足も出なくなってしまったホロヴィッツは一人の人物を思い浮かべます。
自分を救い出せるのはあの男、ホーソーンしかいないのだと。
まとめ
お人好しで注意力も今ひとつ。
そんな、犯人として最もふさわしくない男、ホロヴィッツが、今回はなんと殺人容疑で逮捕されてしまいます。
運悪くアリバイの証明はできず、凶器に至っては知らなかったとはいえ、自分のものだと白状してしまう始末。
ホーソーンのおかげで何とか留置場から出ることができたホロヴィッツはホーソーンとともに真犯人を見つけるために関係者への聞き込みを開始するのですが…。
ホロヴィッツのトホホな運の無さと、相変わらず切れ味鋭いホーソーンの推理。
噛み合わない二人のやりとりと、芝居を絡めた設定、そして見事な謎解きと、どこを取っても楽しめる、満足度の高いミステリーです。
<こんな人におすすめ>
作家が殺人容疑で逮捕されてしまうミステリーに興味がある
〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズのファン
アンソニー・ホロヴィッツのファン
グランショー警部の極悪ぶりが
いいねえ。よっぽどホーソーンと
ホロヴィッツを恨んでいるんだな。
ホーソーンの冷めた返しがまたいいね。
舞台に関わる人々の背景や
上演までの労力、そして制作側の
思いなども伝わってくるわよね。
ホーソーンの見事な推理力も
さることながら演劇の世界の裏側も
楽しめるミステリーね。
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