こちらは地方の公安調査官が
自分のインテリジェンスを
武器に国際諜報戦線に
挑んでいくお話よ。
公安て謎の多い組織だよな。
東京で活躍してるって
イメージあったけど
地方にも公安調査事務所ってのが
あるんだな。
そうね。予算も人も限られていて
なおかつ武器も持たないの。
若手調査官の梶壮太は自身の
記憶力や情報処理能力を使い
神戸の町で触手を伸ばすきな臭い
案件に立ち向かうのよ。
なるほどね。
調査するにも相手に正体を
悟られちゃいけないんだもんな。
公安調査官てのはどうやって
戦うんだろう。
『鳴かずのカッコウ』手嶋 龍一 (著)小学館文庫
あらすじ
神戸公安調査事務所に勤める梶壮太は、国際テロ班に所属する公安調査官。
ひょろりとした痩せ型で色白、口数も少なく仕事で目立った成果はない。
そんな壮太は、ジョギングの途中目にした看板から中国・北朝鮮・欧米の組織が複雑に絡んだきな臭い事案の調査を担当することに。
美人で優秀な同僚の「ミス・ロレンス」こと西海帆稀とともに神戸の町で裏から糸を引く謎の男を追跡するのだが…。
超地味な公安調査官が挑む相手とは
若手公安調査官の壮太は、一度目にしたものは忘れず、画像のように記憶する能力の持ち主。
しかし目立った成果を挙げることができずにいます。
ある日壮太はジョギングの途中、建設中のマンションに表示された看板の建築主名が頭の中で引っかかります。
北朝鮮の貨物船がパナマで武器密輸事件を起こしたときに調べた神戸の船舶代理店、株式会社エバーディール。
この会社がマンションの建築主名となっていたのです。
当時の調べではこの会社に特別不信な点は見当たらなかったものの、何かを感じた壮太は上司の柏倉に報告。
柏倉のGOサインにより調査を開始します。
かつてこの件での潜入捜査に失敗した経験を持つ壮太にとってはリベンジの戦いとなります。
エバーディールのオーナー社長、永山洋介の妻が教えているお茶の稽古に参加し、貴重な情報を入手。
エバーディールのパートナーがウクライナ人であること。
それは中国や北朝鮮とどういった関係があるのか。
同僚のミス・ロレンスこと帆稀の協力でウクライナ人・コヴァルチュックの背景からは多くのものがうかがえます。
コヴァルチュックの向こうにいる存在の正体を暴き、その目的を明らかにするため、壮太は柏倉や帆稀とともに作戦を開始します。
まとめ
マンガ好きで優れた記憶力を持つ、超がつく地味な青年・壮太は強制捜査権も武器も持たない公安調査官として、国家の有事に関わるような数々の問題を調べていきます。
目立たぬ見た目と記憶力で重要な情報を引き出すだけでなく、さらにその情報をもとに何が起こるのかを探っていく姿はまさに「インテリジェンス」そのもの。
力ではなく、情報を正しく見極め解釈する力で戦っていく姿にハラハラドキドキする、また公安調査官という仕事を通して各国と日本との関わりがよくわかる物語です。
<こんな人におすすめ>
公安調査庁の仕事内容に興味がある
船の手配斡旋を利用した、日本で暗躍するアジアや西欧各国の活動を探る話に興味がある
手嶋 龍一 のファン
地味な見た目も武器になるんだなあ。
しかし日本の安全てまさに水際で
守られてるわけだな… こわ…(゚o゚;;
力でも武器でもない、
使うのは自分の「頭脳」という
まさにインテリジェンスな戦い。
諸外国から日本がどのような国として
見られているのかもよくわかる物語ね。
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