こちらは江戸の揉め事を裁定する
町名主の跡取り息子・麻之助と
町の人々を描いた「まんまこと」
シリーズ第八弾よ。
麻之助の縁談がうまくいきかけて
いたけど相手の記憶が一部
喪失しちゃったんだよな。
破談になっちゃったのか?
そうね。そこで麻之助のもとに
新たに縁組の話が来るのだけど
なんといっぺんに三組から
持ち込まれたの。おまけに
一人は江戸一の美人と言われる
女性なのよ。
え、まじか!?バツイチの
麻之助になんでまたそんな
縁談が…。そして麻之助は
誰を選ぶんだろうか。
『いわいごと』畠中 恵 (著)文春文庫
あらすじ
神田町名主の跡取り息子、麻之助の元に、何と縁談が三つもやってきた。
三人とも町名主の娘であり、うち一人は江戸美人番付の一位にもなった人物。
しかし、どの娘もなにやら事情を抱えているようで…。
話がまとまらず周囲の人々が気を揉む中、ついに麻之助は祝言をあげることに。
麻之助の元に三件もの面談が舞い込む
先に起きた深川の出水で、話を進めていた縁談相手のお雪が記憶を失くし、なかなかまとまらなかった麻之助の縁組。
新しい町名主を決める際に縁のできた町年寄の樽屋から縁談の話を紹介されました。
しかも一度に何と三組も。
うち一人は天女とも噂される江戸一の美人です。
何故、一度に三つもの縁談が、そして交際となる相手のもとにくるのか。
そう樽屋にたずねる麻之助。
しかし樽屋の手代によれば、江戸一の美女お須江はお大名から側室の話がきており、二人目の小滝は武家奉公にいく話が出ているのだとか。
心配事を抱えて縁組するわけにもいかず、しかし話が来た以上は先方に返事をしなければならない。
友の吉五郎が住む相馬与力の新しい屋敷へ、麻之助、清十郎、そして丸三が集まり、手分けをしてこの縁談が持ち込まれた事情を探ることに。
それぞれの家や娘たちの思いや事情がわかり、持ち込まれた縁談は全て縁がなかったことに。
しかし思いがけない方向から縁はやってきて…。
まとめ
お雪との関係もなかなか進展が見られず、かといって周囲がせっつくこともできなかった麻之助の縁談事情。
ようやく次の一歩なるか、と思えばどれもワケありな三件で縁組は叶わず。
最後は麻之助自身が「これでいいのか?」とお相手を心配するほどすんなりと決まり、何だか明るく軽やかな未来を感じさせてくれます。
友の出世や所帯を持つこと、そして跡取りと言いつつも何のかんのと仕事をこなしていく麻之助の姿に、江戸を生きる人々の時の流れを感じさせるシリーズ第八弾です。
<こんな人におすすめ>
お気楽な町名主の跡取り息子が思いがけない形で縁を結ぶことになる話に興味がある
「まんまこと」シリーズのファン
畠中 恵のファン
おお!!揉めに揉めたわりに
最後はすんなりまとまったなあ。
この夫婦がどんな風になっていくのか
楽しみだぜ♪
飄々としながらも仕事を
こなす麻之助。所帯を持って
足元がしっかりとしたことで
これからの仕事ぶりにどう
変化が現れるのか。期待大ね。
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