こちらは池袋ウエストゲートパーク
シリーズの第18弾よ。ペットの
総合商社の闇を暴くべく
マコトたちが奔走するのよ。
ペットの総合商社?
まあペット業界もいろいろ
言われてるけどもいったい
何をしたんだ?
ブリーダー、ペットショップ、
病院や霊園などまさにゆりかごから
墓場までトータルにペットをサポート
するの。でも売れ残ったペットを
病院の練習台に使ったりしているわ。
なんちゅうことを!
ペットがまるでモノ扱いってことか!
こんなやつらがのさばってたら
ペットの悲劇が増えるばかりだ。
マコトに何とかしてもらわなくちゃだな!
『ペットショップ無惨 池袋ウエストゲートパークⅩⅧ』
石田 衣良 (著) 文春文庫
あらすじ
最近急成長しているペットの総合商社、CGペット。
八つの部門に分かれ、ブリーダー、ペットショップ、ホスピタル、サロン、スクール、ホテル、ホーム、霊園と、誕生から墓場まで全てを網羅している。
売り上げを伸ばしているその裏では恐るべき蛮行が繰り広げられていた。
企業の闇を暴くべく、過激な動物愛護テロリストとともにマコトが立ち上がる。
ペット商社の闇を暴く
動物愛護のNPO『ペット・エガリテ』の主宰である女優の高城鳴美から依頼を受けたマコト。
CGペットは売れ残った子犬や子猫を自分たちの動物病院の手術の練習台に使ったり、最初から健康体とは言えない子猫や子犬を売りつけ病院を紹介し、高額な治療費を飼い主に請求したりしているのだとか。
また、売れ残りでも姿、形の良い犬は繁殖犬として制限回数以上の出産をさせられる…。
CGペットショップに勤める内部協力者の力を借りてショップの闇を暴く作戦を立てたマコトたち。
しかしマコトたちが行動に出る前に、何者かがペットショップを襲い、子犬が殺害された写真をビラにしたものを店のガラスにびっしりと貼り付けていたのです。
それは鳴美の後輩である関戸和沙が束ねる過激派の動物愛護団体の仕業でした。
この動物愛護のテロリスト『レッド・ファング』からも企業の評判を地獄の底まで落として欲しい、という依頼を受けたマコト。
鳴美をトラブルに巻き込みたくない、という和沙の思いを受け、マコトが彼らと出向いたのは市街地のペットショップの視察、そして県立の動物愛護センター。
そこでマコトが目にした光景とは。
まとめ
命ある生き物を商売道具として扱う企業の闇に切り込んでいくマコト。
調査を進めるにつれ、繁殖の現場やペットショップ運営の裏側、そして飼い主の手を離れた犬の殺処分を目にします。
人間の都合によってこの世に生まれ、そして死んでいくペットという存在の裏には人の望みのわがままさ、身勝手さが潜んでいるのです。
ペットの「かわいい」を売りにする商売のあり方に問題を投げかける物語です。
<こんな人におすすめ>
ペットを金儲けと考える企業の闇を暴く話に興味がある
『池袋ウエストゲートパーク』シリーズのファン
石田 衣良のファン
こういう商売が成り立ってしまうのは
買う側の人間の意識の問題でも
あるよなあ。
ペットは命ある家族の一員であると
認識して、提供する側も迎え入れる側も
しっかりと責任を持ちたいものね。
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